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2012 年度 実施状況報告書

神経生理学的指標を用いた主観的ストレスの客観的評価に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23590772
研究機関秋田大学

研究代表者

村田 勝敬  秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80157776)

研究分担者 岩田 豊人  秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00321894)
堀口 兵剛  秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90254002)
キーワード主観的ストレス / 自律神経機能 / 心拍変動 / 客観的評価 / 健康管理
研究概要

日常のストレスが各種自律神経系機能に現れやすいことは知られている。そこで、本研究では、主観的ストレスと自律神経系機能の関係を解析し、①自律神経系機能が主観的ストレスの客観的指標になり得るのか、また②どの主観的ストレスがいずれの自律神経指標にもっとも影響されやすいのか調べることを目的として、研究を行った。
前年度では男子大学生64名の自律神経系機能測定を行ったが、本年度は女子大学生86名を測定し、両者を合わせて、心電図QTc時間(およびQT index)およびRR間隔変動(CVRR、CCVHF、CCVLF、%HF、LF/HF比)の男女差およびこれらの指標間の関係を検討した。性差はQTに関連する指標であり、QTc時間およびQT indexは女子の方が男子より有意に高く、一方心拍数は男子の方が女子よりも有意に高いという結果を得た。RR間隔変動を用いた交感および副交感神経機能においては、副交感神経機能(CCVHF、%HF)は女子の方が男子よりも有意に高く、その結果、LF/HF比は男子の方が有意に高くなった。これら指標は肥満指数、体脂肪率に影響されることも示された。
QTc時間は心拍数と有意な正の関連があり、心拍数を補正した指標になっていないことが示され、一方QT indexは心拍数との関連が見られないことから、自律神経固有の機能状態を反映すると考えられた。
秋田県自動車販売健康保険組合の協力を得て、簡易ストレスおよび生活習慣に関する調査を平成24年度内に行い、約2,200名からデータを得た。ストレスと自律神経系機能(QTc、QT、心拍数)の関係は本年度解析する。この集団を用いた研究副産物として、昼食の即席麺の摂食頻度と肝機能の関係が調べられた。肝機能に影響する年齢、BMI、飲酒等を考慮すると、即席麺の摂食回数が増えるに従い、肝機能ALT異常が増加することが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

東日本大震災が発生したことにより、仙台地区の生協職員の主観的ストレスと自律神経機能の測定ができない状態が続いている。
一方、自律神経系機能の測定法の確立については、ほぼ当初の予定を達成し、論文作成も終えることができた。
2,200名の自動車健康保険組合のデータは入手でき、かつコンピュータ入力も終えたので、この解析については早々に可能と考えられる。

今後の研究の推進方策

1.自動車健康保険組合で入手・入力を終えたデータの解析を早急に行う予定である。
2.宮城県仙台市内の生活協同組合の調査は本年度秋に行う予定でいる。
3.本研究の途上で副産物的に得られた解析結果(即席麺と肝機能および血清脂質に関する研究)は、健康管理を行う上で極めて重要であり、この解析結果も論文として発表する予定でいる。

次年度の研究費の使用計画

平成24年度予定していた宮城県仙台市内での調査が東日本大震災後の不都合のため実施できず、それに用意していた費用が当初の研究費支出の中で使用できず、残額発生となった。この調査は平成25年度行う予定であり、その際に使用する。以下は、この残額を含めた使用計画である。
研究は、自律神経機能測定およびデータ入力を行うため、人件費(測定補助者への謝金)が大半を占める予定である。また、秋田⇔仙台間の打ち合わせ費用も必要となる。その他は、測定機材の消耗品費の予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Relationships between QT interval and heart rate variability at rest and the covariates in healthy youn adults.2013

    • 著者名/発表者名
      Kaori Arai, Yui Nakagawa, Toyoto Iwata, Hyogo Horiguchi, Katsuyuki Murata
    • 雑誌名

      Autonomic Neuroscience: Basic and Clinical

      巻: 173 ページ: 53-57

    • DOI

      10.1016/j.autneu.2012.11.006

    • 査読あり

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公開日: 2014-07-24  

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