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2012 年度 実施状況報告書

コミュニティ・エンパワメントによる高齢者の社会参加型自殺予防の実証研究

研究課題

研究課題/領域番号 23590773
研究機関秋田大学

研究代表者

藤田 幸司  秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40463806)

研究分担者 本橋 豊  秋田大学, 学内共同利用施設等, その他 (10174351)
金子 善博  秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70344752)
佐々木 久長  秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70205855)
キーワードコミュニティ・エンパワメント / 自殺予防 / 社会参加 / 地域保健 / ソーシャル・キャピタル / 地域づくり / ヘルスプロモーション / 高齢者の閉じこもり
研究概要

平成24年度は、平成23年度に実施した「コミュニティ・エンパワメントの技法を取り入れた積極的な社会参加を促す地域づくり型の介入プログラム」実施後の、住民のメンタルヘルスとソーシャル・キャピタルの変化や、それに寄与した要因を明らかにすることを目的に、研究対象地域である秋田県H町にて質問紙調査を行った。
調査は平成24年7月1日現在15歳以上85歳未満の全町民7,220名(中学生および入院・入所を除く)を対象とし、平成24年8月1日~12日の期間(回収締切8月20日)に、各地域を担当する保健衛生委員の協力により調査票の配布、回収を行った。調査は個人情報の保護には細心の注意を払い実施した(各個人に配布後、封をした状態で回収)。
調査項目は、基本属性(年齢,性別,世帯状況,婚姻状況,職業)、心のストレス関連要因(ソーシャルサポート・ネットワーク、社会参加の状況、暮らし向き)、心のストレス度(K6質問票)、自己効力感、心理社会的要因(健康感,精神的不調,希死念慮など)、仕事観(40歳未満のみ)、社会参加関連要因(40歳未満のみ)、ソーシャル・キャピタルに関する項目(40歳以上のみ)、地域づくりの取り組み・活動(40歳以上のみ)、外出頻度(閉じこもり)と関連項目(65歳以上のみ)、高次生活機能(65歳以上のみ)である。
本調査では6,601人から調査票を回収(回収率91.4%)、白紙回答を除いた有効回答は5,368票(有効回答率74.3%)であった。調査データは、平成20年および平成22年に同町の30歳以上の住民を対象に実施した悉皆調査のデータをリンクすることが可能であり、コミュニティ・エンパワメントの技法を取り入れた積極的な社会参加と住民同士の信頼を高める地域づくり型の介入プログラムの効果を実証するための大変貴重なものである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究では、コミュニティ・エンパワメントの技法を取り入れた積極的な社会参加を促す地域づくりが地域のソーシャル・キャピタルを強化し、さらには自己効力感の向上や閉じこもり予防を促進するとの仮説を実証するために、秋田県H町において介入研究を実施した。
初年度(平成23 年)は、平成23年1月1日より9月末日までに自殺者の発生した秋田県H町内A,B,Cの3自治会において、公民館・集会場を利用し、住民が積極的に集まり地域の問題点と解決策を考える住民主体の集まる場(機会)を各3回設定し、コミュニティ・エンパワメントの技法を取り入れた積極的な社会参加を促す地域づくり型の介入プログラムを実施した。
平成24年度は、介入プログラム実施後の、住民のメンタルヘルスとソーシャル・キャピタルの変化や、それに寄与した要因を明らかにすることを目的に質問紙調査を悉皆で行い、有効回答率74.3%の貴重なデータを得ることができた。
以上から、研究は研究計画どおり順調に進展している。

今後の研究の推進方策

最終年度である平成25年度は、平成24 年度の調査データについて、申請者らが平成20 年および平成22 年に秋田県八峰町の30 歳以上の住民を対象に実施した悉皆調査のデータとの突き合わせを行い、多重ロジスティック回帰分析や比例ハザード分析などの多変量解析により、コミュニティ・エンパワメントの技法を取り入れた積極的な社会参加をうながす地域づくり型介入の効果を実証する。
介入の主要評価項目は高齢者の自己効力感と抑うつ傾向の改善、副次的評価項目は地域のソーシャル・キャピタルの改善と地域住民の抑うつ傾向の改善である。さらに、コミュニティ・エンパワメントの技法を取り入れた地域づくり、社会参加型の介入が、地域のソーシャル・キャピタル向上、住民の自己効力感の向上、閉じこもりの予防・解消に対する有効性について、得られた結果を取りまとめ、成果の発表を行う。

次年度の研究費の使用計画

平成24年度は、調査に係る経費が想定よりも安かったために、次年度に使用する経費が生じた。
平成25年度は、研究結果の分析、成果の発表・報告を中心に使用する。研究成果発表旅費としては、世界老年学会議 (IAGG 2013)および、The International Association for Suicide Prevention(IASP 2013)を予定している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] コミュニティ・エンパワメントによる地域づくり型自殺予防

    • 著者名/発表者名
      藤田幸司
    • 学会等名
      日本健康教育学会
    • 発表場所
      首都大学東京・南大沢キャンパス(東京都)
  • [学会発表] 地域住民における精神的苦痛のレベルと認知的ソーシャル・キャピタルとの関連

    • 著者名/発表者名
      藤田幸司
    • 学会等名
      日本公衆衛生学会
    • 発表場所
      クリエイティブ・スペース 赤れんが(山口市)
  • [学会発表] Relationship Between Homebound Status and Depression Tendency in Community-Dwelling Elderly

    • 著者名/発表者名
      Fujita Koji
    • 学会等名
      The Gerontological Society of America
    • 発表場所
      San Diego Convention Center(California)

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公開日: 2014-07-24  

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