研究課題/領域番号 |
23590775
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
大泉 俊英 山形大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00344797)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 耐糖能障害 / 易感染性 / 感染性呼吸器疾患 |
研究概要 |
平成23年3月11日の東日本大震災およびこれに伴う原子力発電所の事故による災害等の影響により、社会情勢が著しい不安定と混乱のため山形県舟形町ならびに同町内会にはいり調査を行うことが大変困難とされ、また町内会班員の方の協力を得られることも難しい情勢となったため、予定していた調査は翌年度以降に延期せざるを得なくなった。 他方、山形県舟形町で1990年から行われている35歳以上の全住民を対象に行っている糖尿病健診は((第1コホート(1990-1992年受検者)、第2コホート(1995-1997年受検者)、第3コホート(2000年-2002年)および第4コホート(2005年-2007年)がすでに形成されているが)現在第5コホートが進行中であり、社会情勢の変化と混乱の最中、平成23年度は参加可能な町内約1/3を対象として、既知の糖尿病者および、治療中の糖尿病者を除いた対象者1236名のうち、75g経口ブドウ糖負荷試験参加者は468名(参加率全体37.9%、うち男性35.1%、 女性40.4%)、舟形町役場協力のもと、行うことができた。 健診受検者の平均年齢は62.9歳。今回健診によって新規に糖尿病と診断された者は、男性6.2%、女性2.3%、全体で4.1%。境界型は男性16.3%、女性10.8%、全体で13.2%。既知の糖尿病者を含めた該当対象者に占める糖尿病有病率は男性11.1%、女性8.1%、全体で9.4%であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
震災等の理由により、社会的受け入れ状況が整えられておらず、今しばらくの猶予が必要と思われる。
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今後の研究の推進方策 |
山形県舟形町糖尿病検診受検者のコホートを対象にして、アンケート調査、医療機関へのアンケート調査および医療機関への聞き取り調査を行い、感染性呼吸器疾患発症を観察点として調査解析を行う。1)個別の聞き取り調査:山形県舟形町での糖尿病検診の4つのコホートを対象に感染性呼吸器疾患発症の有無について調査する。総勢約3500名の対象者に個別の聞き取り調査を行う。舟形町健康福祉課の職員を中心とした中核となる人たちに本研究について説明し、聞き取り調査の実際の遂行の仕方の打ち合わせを行い、さらに各町内の班長さんに班員からの聞き取り調査を依頼する。各班は約10世帯からなり、約200班あるため、約200人に依頼することとなる。2)医療機関へのアンケート調査:上記機関にて発症報告有りとされる症例にて、その真偽を確認する。発症時に受療した医療機関へ文書にてその時の病状、診断について問い合わせる。3)医療機関への聞き取り調査:上記調査にても情報が不十分な場合は、対象医療機関に直接出向き、カルテや資料を閲覧させて頂き、診断の疑問点を解決する。有床の医療機関では検査を種種行っていることが多く文書での回答で必要な情報が得られる可能性が高いと思われるが、診療所から文書での回答では不十分な場合も考えられる。また、文書での回答が得られないケースもあると考えられるので、対象医療機関に直接出向いての調査は是非必要と思われる。 以上の手順で調査は進められるが、対象者が多く、また対象医療機関も多いことより、この調査には1年以上かかると思われる。
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次年度の研究費の使用計画 |
1)個別の聞き取り調査に関わる費用 糖尿病検診者の4つのコホートを対象に感染性呼吸器疾患発症の有無について個別の聞き取り調査を、各町内の班長さんに班員からの聞き取り調査を依頼する。2)医療機関へのアンケート調査に関わる費用 上記機関にて発症報告有りとされる症例にて、その真偽を確認する。3)医療機関への聞き取り調査に関わる費用 上記調査にても情報が不十分な場合は、対象医療機関に直接出向き、カルテや資料を閲覧させて頂き、診断の疑問点を解決する。
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