研究課題/領域番号 |
23590775
|
研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
大泉 俊英 山形大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00344797)
|
キーワード | 耐糖能障害 / 易感染性 / 感染性呼吸器疾患 |
研究概要 |
平成23年3月11日の東日本大震災およびこれに伴う原子力発電所の事故による災害等の影響により、社会情勢が著しい不安定と混乱のため山形県舟形町ならびに同町内会にはいり調査を行うことが大変困難とされ、また町内会班員の方の協力を得られることも難しい 情勢となったため、予定していた調査は23年度以降に延期せざるを得なくなった。平成24年度になり、社会情勢が落ち着きだして、舟形町役場職員および同町内会にはいり調査を行える状態になってきたため、また町内会班員の方の協力を得られるようになってきたため、調査に着手した。まだ受診者からの調査用紙は回収準備の段階にある。 他方、山形県舟形町で1990年から行われている35歳以上の全住民を対象に行っている糖尿病健診は((第1コホート(1990-1992年受検者)、第2コホート(1995-1997年受検者)、第3コホート(2000年-2002年)および第4コホート(2005年-2007年)がすでに形成されてい るが)平成24年には参加可能な町内約1/3を対象とした糖尿病健診を行い、進行中であった第5コホートが終了した。これにより、2010年-2012年にわたる第5コホート3ヶ年に糖負荷試験を行った検診受診者1219人(受診率33.2%)の耐糖能の結果と既知の糖尿病者とあわせた糖尿病有病率は男性12.8%、女性8.4%、男女合わせて 10.4%。境界型者の割合は、男性23.1%、女性15.8%、合計19.2%、であった(5年前の有病率は、それぞれ11.7%、9.0%、10.2%、境界型は、20.2%、15.1%、17.3% 10年前の有病率は、それぞれ12.4%、11.2%、11.7%、境界型は22.6%、18.2%、20.1%)。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
震災等の影響により、調査初年度の開始が遅れ、調査回収作業も緒に就いたばかりのため。
|
今後の研究の推進方策 |
山形県舟形町糖尿病検診受検者のコホートを対象にして、アンケート調査、医療機関へのアンケート調査および医療機関への聞き取り調査を行い、感染性呼吸器疾患発症を観察点として調査解析を行う。 1)個別の聞き取り調査の回収:山形県舟形町での糖尿病検診の4つのコホートを対象に感染性呼吸器疾患発症の有無について調査書を回収する。 2)医療機関へのアンケート調査:上記機関にて発症報告有りとされる症例にて、その真偽を確認する。発症時に受療した医療機関へ文書にてその時の病状、診断について問い合わせる。 3)医療機関への聞き取り調査:上記調査にても情報が不十分な場合は、対象医療機関に直接出向き、カルテや資料を閲覧させて頂き、診断の疑問点を解決する。有床の医療機関では検査を種種行っていることが多く文書での回答で必要な情報が得られる可能性が高い と思われるが、診療所から文書での回答では不十分な場合も考えられる。また、文書での回答が得られないケースもあると考えられるので、対象医療機関に直接出向いての調査は是非必要と思われる。以上の手順で調査は進められるが、この調査には1年以内に終了をめざす。
|
次年度の研究費の使用計画 |
1)個別の聞き取り調査に関わる費用 山形県舟形町での糖尿病検診の4つのコホートを対象に感染性呼吸器疾患発症の有無について調査書を回収の際の謝金を支払う。 2)医療機関へのアンケート調査に関わる費用 上記機関にて発症報告有りとされる症例にて、その真偽を確認する。 3)医療機関への聞き取り調査に関わる費用 上記調査にても情報が不十分な場合は、対象医療機関に直接出向き、カルテや資料を閲覧させて頂き、診断の疑問点を解決する。
|