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2012 年度 実施状況報告書

アポトーシス並びに細胞増殖因子と出血性脳血管疾患に関する前向き疫学研究

研究課題

研究課題/領域番号 23590776
研究機関筑波大学

研究代表者

山海 知子  筑波大学, 医学医療系, 准教授 (10241829)

キーワード疫学 / アポトーシス / 細胞増殖因子 / 出血性脳血管疾患 / くも膜下出血 / 脳出血 / 予防
研究概要

日本人に多く見られる出血性脳血管疾患(脳出血、くも膜下出血)には、動脈硬化性因子の影響が認められない場合が多く、むしろ、血管平滑筋のアポトーシスの関連が指摘されている。そこで、アポトーシス関連因子としてのsFas(可溶性Fas)と細胞増殖因子のIGF-1に焦点を当て、出血性脳血管疾患発症予防のための新たなバイオマーカーとしての可能性を検討した。長期に亘り脳卒中の発症登録と住民の健康診断を継続している秋田、茨城、高知の3農村地域において、脳卒中発症前に地域健康診断を受診した際に採取し、-80℃凍結保存されている血清の中から、悉皆的に把握している出血性脳血管疾患発症者と地域・性・年齢で1:2マッチさせた非発症の対照者の採取分を選出し、nested case-control studyの手法により、sFasとIGF-1を測定し比較した。平成23、24年度において①研究対象3地域の脳血管疾患調査結果からの出血性脳血管疾患発症者の収集、②対照者の選出、③発症前凍結血清の選定、④sFas、IGF-1の測定を実施し、発症年齢69歳以下のくも膜下出血、脳出血発症者・対象者54組(162検体)のsFas,IGF-1を測定した結果、sFasでは出血性脳血管疾患、くも膜下出血、脳出血何れも差が認められなかったが、IGF-1においてはくも膜下出血、脳出血ともに発症例の値が統計学的に有意に低かったため、出血性脳血管疾患の発症にIGF-1が関与する可能性、即ち危険因子としての可能性が疫学データとして初めて確認された。平成25年度は70歳以上の高齢発症者においても検討を進め、公表する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成23年度に予定していた井川・野市、協和の出血性脳血管疾患発症者の把握、対照者の選出、検体の選定、平成23年度に同時進行で行えており、平成23年度と平成24年度前半で実施し、平成24年度後半で発症年齢69歳以下の測定対象の測定を完了し解析を進めている。おおむね順調と考えられる。

今後の研究の推進方策

平成25年度は、平成24年度に測定によって得られたデータの解析を進め、学会等で報告していく方針である。発症年齢70歳以上の検体におけるsFas、IGF-1の測定を追加し、これらの物質が出血性脳血管疾患発症に関連するバイオマーカーとなりうるか、統計解析を行い検討し、学術論文としてまとめていく方針である。

次年度の研究費の使用計画

該当なし

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公開日: 2014-07-24  

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