研究概要 |
要介護度による家族介護者の介護負担や介護サービス利用状況の実態を把握するため、訪問看護サービスを利用している367名の介護状況を分析した。 その結果、療養者の平均年齢は80.4±11.3歳, 介護者の平均年齢は64.9±9.9歳であった. 要介護1・2・3(以下,軽度者)は36.8%, 要介護4・5(以下,重度者)は63.2%であった. 軽度者と重度者の比較では, 重度者の介護状況は、介護肯定感が高く, 介護期間が長く, 医療処置と介護内容の種類が多く, 訪問介護, 訪問入浴, 短期入所, 住宅改修を利用している割合が多かった. 要介護別に介護サービス利用の有無による介護状況を比較した結果、軽度者の場合では, 訪問入浴利用者は介護者の社会活動が少ない, 訪問リハビリ利用者は療養者の年齢が若く, 医療処置の種類が少ない, 短期入所利用者は介護肯定感が低くうつ傾向得点が高かった. 重度者の場合では, 訪問介護利用者は介護内容の種類が少ない, 訪問入浴利用者は医療処置の種類が多く介護者の社会活動は少ないが介護肯定感が高い, 訪問リハビリ利用者は療養者の年齢が若く介護負担感が高い, 短期入所利用者は療養者の年齢が高く介護者の社会活動が多く趣味も多い, 訪問診療利用者は介護内容と医療処置の種類が多い, 福祉用具利用者は医療処置の種類が多いが介護者の社会活動が多くうつ傾向得点も低かった.
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