研究課題
2014年度は、2011年に完成した糖尿病発症データベースを用いて、出生時体重及び出生後の喫煙歴と糖尿病発症との関連を検討した(データベースの作成過程並びに解析方法は2012年度の報告書を参照)。解析対象者は3265名(平均年齢±標準偏差:46.4±7.1歳)(男性2437名、女性828名)であった。出生時体重4群と生涯の喫煙歴の有無を組み合わせ8群を作成した。出生時体重2500g以上3000g未満かつ喫煙経験無群を基準とした性別を調整したHR(95%信頼区間)は、出生時体重2500g未満かつ喫煙経験無群は1.92(1.14-3.23)、出生時体重2500g未満かつ喫煙経験有群は2.05(1.23-3.43)、出生時体重2500g以上3000g未満かつ喫煙経験有群は1.75(1.28-2.39)、出生時体重3000g以上3500g未満かつ喫煙経験無群は1.18(0.82-1.72)、出生時体重3000g以上3500g未満かつ喫煙経験有群は1.40(0.99-1.97)、出生時体重3500g以上かつ喫煙経験無群は1.23(0.66-2.27)、出生時体重3500g以上かつ喫煙経験有群は1.89(1.16-3.09)であった。出生時体重に拘わらず喫煙経験者の糖尿病発症リスクは高かった。出生時体重が2500g未満群では喫煙経験に拘わらずリスクが高かった。一方、出生時体重が3500g以上群では喫煙することにより糖尿病のリスクが高くなった。糖尿病の発症を防ぐには、母子保健の観点からは低出生時体重児の出産を予防すること、出生後の生活習慣としては喫煙をしないことが大切であることが示唆された。本研究期間中、出生時体重の自己申告の再現性の検討とともに糖尿病の発症データベースを作成し、真の意味での出生時体重の糖尿病発症に対する影響を検討することができた。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)
J Epidemiol
巻: 25 ページ: 99-109
10.2188/jea.JE20140055
Circ J
巻: 78 ページ: 1379-1386
BMC Public Health
巻: 14 ページ: 328
10.1186/1471-2458-14-328