• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実施状況報告書

口腔の健康と生活習慣病発生との関連に関する歯科医師・高齢者集団のコホート研究

研究課題

研究課題/領域番号 23590788
研究機関名古屋大学

研究代表者

若井 建志  名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50270989)

研究分担者 内藤 真理子  名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10378010)
川村 孝  京都大学, 保健管理センター, 教授 (10252230)
キーワード口腔状態 / 歯牙喪失 / コホート研究 / 虚血性心疾患 / 脳卒中 / 肺炎 / 高血圧症 / 糖尿病
研究概要

本年度は2つのコホート研究について、下記の検討、調査を実施した。
1.歯科医師を対象としたコホート研究 自記式調査票にて口腔状態を把握でき、歯科医師会を通じた追跡調査が可能な歯科医師を対象としたコホート研究である。本年度は2012年6月までの追跡調査を行い、歯牙喪失と死亡および疾病罹患リスクとの関連を解析した。今回の分析対象は21,053名(追跡期間1年以上、ベースライン時平均年齢±標準偏差 52.3±12.2歳、女性1,684名)、平均追跡期間は7.9年間である。歯牙喪失と死亡リスクとの関連の解析では、1,085名の死亡が同定された。喪失歯数(智歯除く、以下同じ)が0-4本を1とした、5-9、10-14、15-19、20-24、25-28本のグループの多変量調整死亡ハザード比は、それぞれ1.17、1.32、1.35、1.54、1.30であり、喪失歯数25本以上で若干低下したが、ほぼ喪失歯数増加とともに死亡リスクが上昇した(trend P = 0.004)。また歯牙喪失と脳卒中、虚血性心疾患、肺炎死亡との関連の検討では、追跡期間中に脳卒中242名、虚血性心疾患172名の罹患、および肺炎死亡54名が確認された。喪失歯数が0-9本のグループを1とした、10-19、20本以上のグループのハザード比は、それぞれ脳卒中罹患で1.30、1.60、虚血性心疾患罹患で1.04、1.14、肺炎死亡で2.46、2.37で、脳卒中罹患、肺炎死亡で喪失歯数が多い場合に危険度が高い傾向(それぞれtrend P = 0.037、0.027) がみられた。
2.高齢者を対象としたコホート研究 追跡調査は昨年度までに終了した。本年度はベースライン調査と5~6年後の追跡調査データをリンクし、ベースライン時点の歯科所見とその後の高血圧症、糖尿病、脂質異常症などの新規発生との関連を解析するためのデータを作成した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

歯科医師を対象としたコホート研究では、初めてコホート研究としての解析結果の論文を発表することができた。しかし高齢者を対象としたコホート研究はようやくデータが完成したところで、解析および論文作成が遅れているのが現状である。

今後の研究の推進方策

高齢者を対象としたコホート研究のデータ解析を進める。歯科医師を対象としたコホート研究については追跡調査を継続するとともに、データ解析、論文作成もさらに積極的に行う。

次年度の研究費の使用計画

歯科医師を対象としたコホート研究の追跡調査のために、物品費およびその他経費(郵送費)を使用する。また同追跡調査作業のため、人件費を使用する。歯科医師を対象としたコホート研究の追跡調査において、都道府県歯科医師会訪問が必要な場合のために旅費を計上している。本年度から繰り越した研究費については、学会での成果発表の旅費として使用する予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Tooth loss and risk of hip fracture: a prospective study of male Japanese dentists.2013

    • 著者名/発表者名
      Wakai K, Naito M, Naito T, Kojima M, Nakagaki H, Umemura O, Yokota M, Hanada N, Kawamura T
    • 雑誌名

      Community Dent Oral Epidemiol

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • DOI

      10.1111/j.1600-0528.2012.00706.x

    • 査読あり
  • [学会発表] Association between smoking status and oral health-related quality of life among Japanese adults: LEMONADE study

    • 著者名/発表者名
      Mariko Naito, Kenji Wakai, Toru Naito, Haruo Nakagaki, Nobuhiro Hanada, Takashi Kawamura
    • 学会等名
      ISOQOL 19th Annual Conference
    • 発表場所
      Budapest(Hungary)
  • [学会発表] 喪失歯数と全死亡、肺炎死亡、虚血性心疾患・脳卒中罹患との関連ー歯科医師を対象としたコホート研究による検討ー

    • 著者名/発表者名
      若井建志
    • 学会等名
      日本老年歯科医学会 第24回学術大会(招待講演)
    • 発表場所
      大阪市
    • 招待講演
  • [備考] LEMONADE Study 歯科医師を対象とした歯と全身の健康、栄養との関連に関する研究

    • URL

      http://www.med.nagoya-u.ac.jp/yobo/lemonade/lemonade/

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi