研究課題/領域番号 |
23590789
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
樋口 倫代 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00547557)
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研究分担者 |
川口 レオ 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70508895)
水元 芳 福岡女子大学, 人間環境学部, 准教授 (20581630)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | プライマリヘルスケア / アクセス / 地域保健 / 質的研究 / 東ティモール |
研究概要 |
23年度は、研究遂行のために準備を行った。まず、平成23年8月22日~9月2日まで、世界保健機関・必須医薬品部において、以前からの海外共同研究者(Dr. Richard Laing、Dr. David Beran)と「Rapid Assessment Protocol」を用いた研究手法に関する打ち合わせを行い、質問票のドラフトを作成をした。 調査対象地である東ティモールには2回渡航した。1回目は研究代表者(樋口倫代)と分担研究者(水元芳)の2名が平成23年9月14日~24日に滞在した。保健省関連部署、国際機関(WHO、Unicef、FAO)などで情報収集し、また、保健省保健研究倫理・技術委員会に研究計画書を提出した。研究計画は保健研究開発室でのプレゼンテーションも行い、委員会メンバーとディスカッションの機会を持った。委員会で出されたコメントを反映させた修正計画書と、現地語に翻訳したデータ収集ツール(質問票など)の提出を条件に研究施行の仮承認を受けた。2回目は、研究代表者が単独で2月16日~28日に滞在した。データ収集ツールの翻訳を東ティモール人に通訳に依頼し、これを修正計画書とともに保健研究倫理・技術委員会に提出した結果、仮承認を受けていた研究計画は最終的に承認された。2回目滞在では、本研究が、東ティモール保健省の計画している調査と重複がないかを確認、調整する作業も行った。 英国のNational Centre for Social Researchで行われる「フレームワークアプローチ」のトレーニングに出席する計画は、コース内容が変更になったため中止した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、3つのパートに分かれるが、それぞれの初年度の達成度は以下のとおりである。1) フレームワークアプローチを用いた地域保健研究のレビューに関しては、今年度は進捗がなかった。2) 東ティモール保健セクター復興開発に関するレビューに関しては、関係者への聞き取りと資料収集が予定通り進行中である。3) 主となる調査(東ティモール農村部における保健へのアクセスについての質的インタビュー調査)に関しては、調査のためのネットワーク形成、関連部署との調整、質問票の作成と翻訳、調査許可の取り付けまで行なうことができるなど、当初の計画以上に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
以下前述の3つのパート別に今後の推進方策を述べる。1) フレームワークアプローチを用いた地域保健研究のレビューに関しては、初年度に進捗がなかったため、2年めとなる24年度中に、文献検索と分析を行い、他の2パートの研究遂行の基礎となるようにする。2) 東ティモール保健セクター復興開発に関するレビューに関しては、引き続き、聞き取り、資料収集、文献検索を継続する。その結果は3)と統合させて、25年度に作成予定の論文に反映させる。3) 主となる調査については、準備が順調に進んだため、24年度中に予備調査と本調査ができる見通しとなった。まず24年度の前半に研究代表者が2週間程度東ティモールに滞在し、アシスタント(通訳)のリクルートメント、現地共同研究者との調整、研究ロジスティック準備などを行なう。本調査は、年度の後半に研究代表者が4週間程度、分担研究者が2週間程度東ティモールに滞在して行なう。滞在のはじめに、アシスタントとともに、6人のデータコレクターに対してトレーニングを行い、データ収集ツールのプレテストを行う。また、保健省保健研究開発室など関連部署と協議して3地方から1県ずつ3県を目的サンプリングで選び、さらに各県2ヶ所の計6保健センターを拠点として対象者を抽出、トレーニングを受けた東ティモール人データコレクター6人が現地語でインタビューを行なう。インタビューデータは、現地語のままテープ起こしをして後に英語に翻訳する。25年度は、データ分析、論文執筆、成果発表が主となる。英語テキストを分析用データとして、フレームワークアプローチによる分析を行ない、論文の執筆、学会発表、現地でのフィードバックを行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
24年度は予備調査と本調査を行う予定である。研究代表者、分担研究者でのべ3回(のべ8週間)の東ティモールへの渡航滞在費、現地アシスタント(通訳)およびデータコレクター謝金、翻訳謝金、車輌借上料、複写費、通信費などを使用予定である。
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