研究課題/領域番号 |
23590791
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
門田 文 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (60546068)
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研究分担者 |
上島 弘嗣 滋賀医科大学, アジア疫学研究センター, 特任教授 (70144483)
三浦 克之 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (90257452)
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キーワード | 循環器疫学 / 慢性腎臓病 / 尿中アルブミン |
研究概要 |
本申請課題では、日本人地域住民1500人からなる潜在性動脈硬化症の前向きコホートにおいて、微量アルブミン尿が潜在性動脈硬化に及ぼす影響、また、微量アルブミン尿を呈する背景要因について解明する。 平成25年度は昨年度に確定した横断研究用のデータセットを用いて微量アルブミン尿を呈する背景要因や、潜在性動脈硬化症との関連の検討をすすめた。微量アルブミン尿は日本腎臓学会、KDIGOのガイドラインに基づき、eGFRと尿アルブミン定量によるCKD重症度分類別に頚動脈の動脈硬化所見、脈波伝播速度等を検討した。結果、eGFRが同レベルであっても、微量アルブミン尿(30~300mg/gCr)を呈する段階ですでに動脈硬化は進行しており、eGFR と尿中アルブミンを組み合わせたCKDの重症度区分が高いほど潜在性動脈硬化所見も重症であった。また、正常血圧、正常高値血圧、I度高血圧の尿蛋白陽性率は0%,1.6%,3.2%であったが、微量アルブミン尿は8.2%,10.7%,13.0%であり、尿中アルブミンは糖尿病以外においてもより鋭敏な腎機能障害の指標となる可能性が示唆された。これらについて次年度の学会、論文にて発表予定である。これに並行して、日本動脈硬化学会の脂質管理ガイドライン(2012年度版)に基づき、CKDやDM、心筋梗塞死亡の絶対リスク分類別に頸動脈の動脈硬化所見を検討した成果を欧州動脈硬化学会にて発表、日本動脈硬化学会雑誌に論文が掲載された。また、N3脂肪酸と頸動脈の動脈硬化所見の関連を検討し、日本動脈硬化学会総会で報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度は昨年度に確定した横断研究用のデータセットを用いて微量アルブミン尿を呈する背景要因や、潜在性動脈硬化症との関連の検討をすすめた。日本腎臓学会、KDIGOのガイドラインに基づき、eGFRと尿アルブミン定量によるCKD重症度分類別に頚動脈の動脈硬化所見、脈波伝播速度を検討した。結果は次年度の学会、論文にて発表予定である。これに並行して、日本動脈硬化学会の脂質管理ガイドライン(2012年度版)に基づき、CKD、DM、心筋梗塞死亡の絶対リスク分類別に頸動脈の動脈硬化所見を検討した成果を欧州動脈硬化学会にて発表、日本動脈硬化学会雑誌に論文が掲載された。また、N3脂肪酸と頸動脈の動脈硬化所見の関連を検討し、日本動脈硬化学会総会で報告した。当初の研究計画どおり順調に研究を遂行できている。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は引き続き、尿中アルブミンと以下の指標との関連について解析、論文化を行う。・腎機能指標(血清クレアチニン、糸球体濾過率(eGFR))、・耐糖能指標(血糖値、血清インスリン、HbA1c、HOMA-R)、血圧、脂質、肥満に関連する指標、・潜在性動脈硬化指標(冠動脈石灰化、頸動脈内膜中膜肥厚度、頸動脈プラーク数、脈波伝播速度、ABI) また、現在実施している潜在性動脈硬化症調査の追跡調査が終了次第、潜在性動脈硬化症の追跡調査結果のデータクリーニングを並行して行う。データクリーニングが完了次第、本申請課題用のデータセットと結合し、ベースライン時の尿中アルブミンと潜在性動脈硬化症進展度との関連について解析を行う。また、ベースライン時の尿中アルブミンと糸球体濾過率の変化についても解析を行う。
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