研究課題/領域番号 |
23590796
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
櫻井 進 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50375515)
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研究分担者 |
谷川 武 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80227214)
岡 靖哲 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授(寄附講座教員) (60419025)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 睡眠調査 / 睡眠問診票 / 疫学調査 / パルスオキシメータ / フロー検査 / 早朝血圧 / 日系人 / 睡眠時無呼吸症候群 |
研究概要 |
当初申請していた研究調査は、我々がよく知る米国スタンフォード大教授Christian Guilleminaultの同僚で、同大教授Ohayonが開発した睡眠障害評価ツールであるSleep-EVALを日本語化し、今後のわが国における睡眠障害検出のための極めて有効なツールの実用化を目指すものであった。事前に十分な問合せ及び過去の報告を検討したうえで、Sleep-EVALの詳細をOhayon教授のラボにて確認したところ、(1)本ツールは2万もの質問項目があること、(2)本ツールを動かすコンピュータはマッキントッシュ社製を元にカスタマイズされたものあり、通常のコンピュータに移植できないこと、(3)Ohayon教授が認めた研究にしか使用できないこと、(4)研究範囲として日本の47都道府県すべての地域から対象者を選ぶなど、Ohayon教授の要求水準が極めて高いため、より多くの睡眠専門医を擁する大規模研究によって推進することが望ましいと考えられた。上記のことを鑑み、睡眠障害評価ツールをSleep-EVALではなく、ハーバード大が作成し成果を上げている睡眠障害問診票を日本語化し、ホノルル在住の日系人などを対象に実施することとした。既に本睡眠障害問診票の日本語化は完成し、国内では現在までに約500名の警察官に実施済みで、国外ではホノルル在住の日系人に実施する計画が決定している。すでにホノルルにおいて、現地スタッフや関連団体などと2回の事前調整を実施し、次年度5月に約40人の日系人を対象に本調査を実施することが決まった。実施する内容としては、睡眠時無呼吸症候群スクリーニング検査(フロー検査、パルスオキシメータ)、早朝家庭血圧、各種問診(睡眠障害問診票、睡眠日誌、睡眠質問紙)である。本研究では、本睡眠障害問診票日本語版を今後のわが国における睡眠障害検出のための極めて有効なツールとして実用化することを目指したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究調査については、われわれがよく知るスタンフォード大の Professor Christian Guilleminault の同僚で、同大の Professor Ohayon を紹介していただいた。事前の問合せでは何ら問題ないと思われたが、実際に Professor Ohayon が開発した睡眠障害評価ツールである Sleep-EVAL の詳細を現地にて確認したところ、(1)本ツールは20000もの質問項目がある、(2)本ツールを動かすコンピュータは Macintosh 社製であり、他のコンピュータに移植できないこと、(3) Professor Ohayon が認めた研究しか使用できないこと、(4)研究範囲として日本の47都道府県すべての地域に居住する対象者を選ぶなどから、膨大な時間・人材・費用がかかることが予想された。このため、熟慮の上で、調査ツールをハーバード大が作成し、成果を上げている睡眠障害問診票を日本語化したものを、ホノルル在住の日系人を対象に実施することとした。睡眠障害問診票による調査は順調で、国内では警察官に実施済みであり、国外では日系人に実施する準備を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
当初予定していた Sleep-EVAL は、上記の理由により調査実施において困難な点が指摘された。このため、ハーバード大が作成し成果を挙げている、睡眠障害質問紙を日本語化すること、および本質問紙を日本人における睡眠障害評価ツールとしての有用性を検証することとなった。来年度5月に2-3回の講演会および調査説明会を開催し、日系人40人を対象に本調査を遂行する。そして、対象者に対し適切な結果報告を行い、信頼を獲得した上で、対象者をホノルル在住の日系およびポリネシア系米国人などの集団に対象を広げる。
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次年度の研究費の使用計画 |
現在、確定している調査(2012年5月9日出発分)を実施するための調査費用として、研究分担者および"研究協力者計3名分の最小限の渡航費用・宿泊費・調査時に使用する交通費、各種通信費などに充てる。また、予算が許せば、結果説明会のための2泊3日程度の渡航費に使用することを予定している。
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