研究課題/領域番号 |
23590802
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
山崎 浩則 長崎大学, 保健・医療推進センター, 准教授 (40346953)
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研究分担者 |
田山 淳 長崎大学, 保健・医療推進センター, 准教授 (10468324)
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キーワード | メタボリックシンドローム / アディポネクチン / 食行動質問表 |
研究概要 |
【研究内容】青年期成人の食行動や肥満認識をより正確に評価するために,坂田らが開発した食行動質問表(原版30)の中から,青年期成人向けの食行動質問群を抽出した.青年期成人1588人(男性910人,女性678人,20.6±2.0歳)の身長,体重,腹囲を測定し,原版30に回答させた.項目反応理論を用いて,原版30の各々の質問の識別力を解析し上位14の質問を抽出した(選別14).原版30と選別14の得点間には非常に良い相関関係を認めた(r=0.93,p<0.0001).さらに,BMI 25以上と未満を見分けるためのカットオフ値をROC曲線から求めた.カットオフ値は男女いずれも37点であった.ROC曲線の曲線下面積(AUC)は,原版30得点のそれよりも有意に大きかった(男性:p<0.0001,女性:p<0.0003).次に,一年後の肥満移行者と非移行者の間で有意な得点差が生じる質問を,特異的項目機能分析を用いて抽出した(選別4).それらは,「自分は他人より太りやすい体質だと思う」「水を飲んでも太る方だ」「小さいころからよく食べる方だった」「連休や盆,正月にはいつも太ってしまう」の4つであった.一年後の肥満移行を見分けるための選別4のカットオフ値は,男性で10点,女性で11点であったが,陽性的中率は低かった(男性12%,女性2%).そこで,BMI,腹囲のカットオフ値をも含めた3因子すべてを満たした場合の陽性的中率は,男性40%,女性17%に上昇した.若年成人の肥満予防を効率的に行うには,体格に加えて,青年期成人向けの食行動質問表を活用することが有用であると示唆された. 【研究成果】CAMPUS HEALTH 2013(in press)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
長崎大学卒業生の現時点における情報(体格,メタボリックシンドローム該当の有無,動脈硬化のマーカ)取得が難航している.卒業生の消息をつかむには,同窓会の協力が必要であるが,個人情報であるため,所在がつかみにくいことが理由である.
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今後の研究の推進方策 |
1.長崎大学病院に勤務していて,かつ長崎大学卒業生であるものを対象にする. 2.在学生(3年生)において,現時点における体格,食行動,インスリン抵抗性,内臓脂肪面積を測定する事は可能である.そこで,それらの学生の卒後フォローアップの同意をとり,前向きの研究を進める.
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次年度の研究費の使用計画 |
今後の研究推進方策の1.引き続き,長崎大学卒業生の同意がとれたものの検査に使用する. 今後の研究推進方策の2.在学生(3年生)の血清インスリン,高分子アディポネクチン,内臓脂肪面積測定に使用する.
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