研究課題
最終年度に実施した研究成果リバーズシマカのチクングニアウイルス媒介能を検討した。また、ヒトスジシマカ・グループに属するヤマダシマカについても同様に検討を行い、両種のウイルス感受性なみならず媒介能が明らかとなった。海外から潜伏期の帰国・旅行者を介した二次患者発生に、前述の3種蚊がどのように関わるかを分布・生息域から検討した。その詳細は下記に述べた。研究期間全体を通じて実施した研究成果東アフリカに近いレウニオン島でチクングニア熱の大流行が起こり、死者も報告された。アジアおよびカリブ海へ本症拡散が報告されている。本症の媒介蚊はネッタイシマカとヒトスジシマカであり、後者が強毒株のウイルスと親和性が高い。本邦には後者とその近縁種を含む蚊が生息している。近縁種の蚊のウイルス感受性を検討することは、本症患者が国内で発生した際の防蚊対策に貢献できる。本研究の目的は、本症患者の発生を如何に阻止するかであり、感染蚊の早期発見システムを構築することであった。そのために、病原体検出の迅速法確立、国内の蚊の本ウイルス感受性検討、そしてこれら蚊の生態をも考慮したリスク評価を行うことであった。簡便かつ迅速な検査結果が得られるRT-PAMP法の改良法を確立した。本システムは、蚊のみならずRNA未精製の患者血液からの直接な検出にも有効であった。ヒトスジシマカは、琉球列島から東北地方まで分布しておりヒトから吸血する機会が最も多く、ヤマダシマカは前者に混在して生息しているが個体数は比較的少なく、またリバーズシマカは琉球列島から九州・四国の原生林地域に分布していてヒトとの接点は限定される。本症に感染した患者の生活域がどのような自然環境状況にあるかによって媒介蚊種の対策を行う必要があることを考察した。媒介蚊および患者の早期発見のシステムが構築された事から、各都道府県の衛生研究所へのシステムの構築が待たれる。
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