研究課題/領域番号 |
23590804
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
中野 匡子 福島県立医科大学, 医学部, 研究員 (50295408)
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研究分担者 |
安村 誠司 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (50220158)
山崎 幸子 福島県立医科大学, 医学部, 学内講師 (10550840)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 社会的孤立 / 地域高齢者 / 孤独感 / 生活習慣 |
研究概要 |
高齢者の孤立問題は、うつ病・孤立(孤独)死・自殺に関連する要因である。独居高齢者の孤立二関する研究と対策は検討されつつあるが、家族と同居する高齢者の社会的孤立の詳細は不明である。本研究では、家族と同居する高齢者を対象として、孤立と心理的・身体的側面との関連を確認する(横断研究)。その上で、縦断研究により社会的孤立の心身への影響を検討することを目的とした。 本年度は横断研究を実施した。実施内容は以下の通りである。1.調査準備:文献研究および情報の収集を行う。研究を進めるにあたり、より多くの先行研究を通して検討した。これらを元に、回答しやすい調査票を作成した。2.調査実施:郵送法による調査を実施した。対象者は東京都A区在住の1000人とし、住民基本台帳を用いて無作為に抽出した。調査内容は、基本属性のほか、ソーシャル・ネットワーク(社会的孤立を測定)、孤独感、身体的要因として治療中疾病の数、老人研式活動能力指標、生活体力指標、ブレスローの7つの生活習慣などを用いた。なお、本年度の調査において次年度の縦断研究に関する案内を提示した。 得られた結果から社会的孤立に関連する要因を検討した。その成果は、次年度の学会にて発表予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
東日本大震災の影響で、当初予定していた福島県内のフィールドでの調査が実施困難となったが、東京都内のA区にて自治体の後援の下、調査実施が完了した。急遽調査フィールドを変更したため、調査対象者人数が減少したものの(自治体との共同事業とならなかったため、個人情報について住民基本台帳より転記を実施し、予定よりも人件費等がかかったため)、概ね計画通りの進捗である。
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今後の研究の推進方策 |
次年度においては、当初の計画通り、本年度の対象者に対する追跡調査を12月頃に実施予定である。調査完了後、速やかに得られた結果を元に、初年度の社会的孤立が影響する心身、および、その変化についての検討を行う。そのため、データ入力、素集計等を実施する業者の確保を行っている。分析の結果得られた成果は、最終年度の面接調査に向けて、支援プログラム案を作成するため、次年度中に自治体等と綿密な打ち合わせを実施し、プログラム作成に必要な専門家や協力者との連携を図る。収支状況報告書における次年度使用額については、本年度3月に支払が発生したものの、会計計上とずれがあったために生じたものであり、現段階では既に支払が完了している。
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次年度の研究費の使用計画 |
調査対象地域、および、研究協力者との打ち合わせに加え、学会参加(日本老年社会科学会:長野)のための旅費、追跡調査に係る通信費、人件費(研究補助アルバイト代:調査票の封入、印刷等)に使用する予定である。併せて分析した結果について学術雑誌への投稿に関する費用に使用する。
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