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2011 年度 実施状況報告書

受動喫煙に対する住民の認識や現状に関する調査、およびその結果に基づく介入の効果

研究課題

研究課題/領域番号 23590808
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

繁田 正子  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70215961)

研究分担者 渡辺 能行  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00191809)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード受動喫煙 / 社会行動心理学 / PM2.5
研究概要

平成23年度計画は、(1)汎用性の高い、健康信念モデルを応用した受動喫煙対策に役立つ調査票の作成(2)受動喫煙発生実態と健康信念等を組み合わせた調査の実施(3) 集団ごとに、もっとも適した介入方法を確定する(4) もっとも深刻に受動喫煙が発生しているところから順次適切な介入を行う(5) 事後調査:それぞれの項目の改善がみられるかを再調査するのうちの(1)と(2)を実施することであった。(1)については、企業や行政の担当者10人に調査票を確認してもらい、使用可能性について相談したところ、実際に全員に調査して回収することの困難さ、各団体における差の大きさがわかった。そこで、行政とともに前年度実施していた調査の結果を解析し、簡略化されたもので、行動科学的分析が可能かをみたところ、意識の差が結果に結びついていることを浮き上がらせていることが判明し、その調査票の有用性が証明され、使用可能ということもわかったので、第一の目的は達成された。(2)については、ファミリーレストラン10ケ所、ホールのロビーや、ホテルのロビー30ケ所の測定が終了し、受動喫煙発生実態がおおむね明らかになった。京都市内はかなり対策が進んでいるものの、分煙によって、汚染が生じている場所もあった。これらをさらに喫煙者の数や喫煙所の位置などで分類して、問題となるパターンを明らかにしていく予定である。(3)について、2つの企業において、ひとつは敷地内禁煙をめざす企業、ひとつはこれから取り組む企業と、保健所を通じながら状況把握し、アウトリーチ型の介入をモデル的に行った。敷地内禁煙がスムーズにいったり、企業内の意識が高まる傾向があったので、その方法を整理して、より普及できる形にしていく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

目的である調査に向かって、今年度は準備を進める予定であった。調査票の試作、有用性の確認などがすみ、調査を実施できるところまできたので、ほぼ順調な進展を考えている。また、PM2.5の測定については、検査員の養成やトレーニングが順調に進み、実際の測定もかなり進んだ。小規模な飲食店などがこれから重要になるので、その測定方法などはつめていかなければいけないが、ほぼ測定値の安定は得られたので、次のステップに移れる状況である。介入方法については、NPOの協力を得て、ほぼ問題なく進むことがわかった。各種ツールの準備もすみ、資料や展示物品も進んだ。

今後の研究の推進方策

調査票を使っていよいよ、実際の調査にうつる。どの企業も団体も、多忙で多くの健康増進事業が混在しており、そのタイミングなどは困難も予想されるが、管理者の協力を得て、順次実施していく。実際に、個別が困難であった場合、行政とともに実施した調査の一部を転用することなど、倫理的側面をよく検討し、その後、倫理委員会の承諾を得て解析する予定である。PM2.5のデータは、種別や施設の大きさや建築状況などを加味しながら解析を進め、深刻なタイプのsettingがあれば、測定場所を増やす予定である。また介入対象を確定し、アウトリーチ型の啓発を、実施する予定である。

次年度の研究費の使用計画

次年度は介入の結果をみる時期にはいるので、さまざまなデータを解析しながら、改善傾向にあるか、どのような方法が効果的であったかなどを分析する。PM2.5のデータについては、まとめたものを学会で発表するとともに論文化を急ぐ。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] タバコフリー教育 -より広く・より楽しく・より科学的に-2011

    • 著者名/発表者名
      繁田正子 松井大輔 渡邉功 他7名
    • 雑誌名

      小児科臨床

      巻: 64巻 ページ: 1929~1938

  • [学会発表] Influence of smoking and smoking cessation on pulmonary function in Japanese healthy people2011

    • 著者名/発表者名
      Masako Shigeta
    • 学会等名
      IEA World Congress of Epidemiology
    • 発表場所
      Edinburgh International Conference Centre, Scotland, UK
    • 年月日
      7 - 11 August 2011
  • [学会発表] 脳MRIにおける白質病変や無症候性脳梗塞所見と喫煙との関連2011

    • 著者名/発表者名
      繁田正子
    • 学会等名
      第52回日本神経病理学会総会学術研究会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2011年6月3日
  • [学会発表] 喫煙・禁煙が加齢にともなう呼吸機能低下に及ぼす影響2011

    • 著者名/発表者名
      繁田正子
    • 学会等名
      第53回日本老年医学会学術集会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2011年6月16日
  • [学会発表] PM2.5値からみたファストフード店やカフェの受動喫煙発生状況2011

    • 著者名/発表者名
      繁田正子
    • 学会等名
      日本公衆衛生学会総会
    • 発表場所
      秋田
    • 年月日
      2011年10月20日

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公開日: 2013-07-10  

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