研究課題/領域番号 |
23590811
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研究機関 | 東北薬科大学 |
研究代表者 |
佐藤 憲一 東北薬科大学, 薬学部, 教授 (30158935)
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研究分担者 |
佐藤 研 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (00215782)
川上 準子 東北薬科大学, 薬学部, 講師 (40438560)
星 憲司 東北薬科大学, 薬学部, 助教 (20405913)
青木 空眞 東北薬科大学, 薬学部, 助手 (40584462)
中川 吉則 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (20400351)
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キーワード | 健診 / 甲状腺機能異常 / スクリーニング / 複数の基本的検査 / パターン認識手法 / 病院 / CDSS |
研究概要 |
甲状腺機能異常を亢進症では受診者の ALP↑,S-Cre↓,T-Cho↓,心拍数↑の4項目、また低下症ではLDH↑,S-Cre↑,T-Cho↑,RBC↓ の身近な検査の4項目の変動を組み合わせて定量的に捉えることで,近似的には甲状腺ホルモンの代用となる身近な指標(マーカー)が得られることを世界で初めて確立しました.解析方法として、3種のパターン認識手法を用いて予測の信頼性を高める工夫をしています。この機能異常予測モデルに基づきシンプルな予測ツールを作成したので,人間ドックやクリニック・病院で、測定済み検査値の二次活用として手軽にスクリーニングができるようになりました。JR 仙台病院と東北公済病院の人間ドック受診者を対象に実施して来たスクリーニングでは,これまでに延べ 40 名近くの、TSHは通常測定されないため、見逃されたままであった患者を発見して、治療につなげることができました。日本甲状腺学会、日本人間ドック学会等での発表により、患者QOL向上に大きな貢献ができる研究として注目され,全国の多くの健診施設でのスクリーニング実用化が期待されるようになりました。健診施設・クリニックからの要望があれば予測ツールを提供しますのですぐに活用して頂けますし、今後は、病院情報・検査のシステムへの組み込みによる活用も望まれます。手法のさらなる精度向上を目指して、今後は、病院受診者での詳細なスクリーニング他を計画しています。この予測システムは患者QOL 向上,医療費削減,に大きな貢献ができますので、世界に先駆けたCDSSの典型例となることも期待できます。身近な複数の検査を組み合わせて疾患を予測する新しい方法は、これまでの研究により、亢進症の鑑別、クッシング症候群患者の早期発見、などにも、前者なら6項目、また、後者なら8項目を組み合わせての応用が可能であることも明らかになりました。
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