研究課題/領域番号 |
23590812
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
大東 貴志 国際医療福祉大学, 大学病院, 教授 (80185371)
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研究分担者 |
中島 淳 東京医科大学, 医学部, 教授 (10167546)
水野 隆一 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (60383824)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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キーワード | 前立腺癌 / スクリーニング / ノモグラム / PCA-3 スコア |
研究実績の概要 |
昨年までのデータを用いて、Prostate Cancer Gene 3 (PCA3)スコアとPSA free/total(F/T)比を用いたノモグラムを作成し、有用性について検討した。 PSA20ng/mlで初回生検を受けた63人の患者について、生検前にPSA関連マーカーおよび尿PCA3スコアを測定した。生検の結果でProstate Cancer Research International: Active Surveillance (PRIAS)の基準のInclusion criteria以外の癌を要治療癌とした。 結果:63人中37人が、前立腺がんと診断され、その中で要治療癌は27例であった。ROC解析では、PCA3スコアは、すべての前立腺がん予測、陽性コア数が3以上の予測において、PCA3スコアは、PSA関連マーカーより高いAUCを示した。一方、要治療癌の予測においては単独ではF/T比が最もAUCが大きかった(0.801)。多変量ロジスティック解析を行ったところ、PCA3スコアとF/T比はどちらも独立した有意の要治療癌予測因子であった。そこで、両者を組み合わせてノモグラムを作成したところ、これによる前立腺要治療癌予測AUCは、0.823と単独因子よりも高かった。 結論:当研究は限られた症例を用いた研究であり、さらに検討を重ねる必要があるが、F/T比とPCA3スコアはそれぞれ、血液、尿検体から容易に測定可能であり、このノモグラムを臨床応用することにより、過剰診断、過剰治療を回避できる可能性が示された。
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