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2011 年度 実施状況報告書

対話型の保健・医療・福祉を指向した日本語版ヘルスリテラシー評価ツールに関する

研究課題

研究課題/領域番号 23590814
研究機関大東文化大学

研究代表者

杉森 裕樹  大東文化大学, スポーツ健康科学部, 教授 (20276554)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワードヘルスリテラシー / 対話型医療 / 健康教育 / ヘルスコミュニケーション / TOFLA / NVS
研究概要

ヘルスリテラシー(HL)調査表の中で単語読解力(comprehension) テストの開発として、The Newest Vital Sign (NVS)(Am J Prevent Health 2006)の邦訳と日英言語使用者によるback-translationを行い、NVS日本語版を作成した。さらに、この調査票の一般人への適応可能性を評価するパイロット研究として、大学薬学部生に対する調査を行い、あわせて海外の同種の調査 との比較を行った。私立薬科大学4年生134人に対し、NVSの調査を自記式により実施した。NVSは全6問からなり、4問以上正解で「十分なリテラシーあり」、2-3問で「リテラシーに問題がある可能性」、0-1問で「高確率でリテラシーが不足」に分類される。この基準に従って135人を分類するとともに、結果と性別・喫煙状況・肥満の有無 (WHO基準)・生活レベルとの関連を評価した。合計134例から回答を得た。米国の調査に比して本調査では、より多くの回答者が「十分なリテラシーあり」と判断されたが、米国調査が地域の高校生全般を対象にしているのに対し、今回は薬学部4年生を対象にしており、教育レベルや知識に差異がある可能性が高く、この結果はある程度妥当なものと考えられた。また一般人よりもHLが高いと推定される大学薬学部生でも、20%強が「問題ある可能性」「高確率で問題あり」に分類されていた。そのため本邦でも、「リテラシーに問題なし」に回答が偏る可能性は低いと考えられ、本邦でもNVS日本語版によるHL評価の可能性が示唆された。なお、性別・喫煙状況・肥満の有無 (WHO基準)・生活レベルで、リテラシー3群を応答変数にする分析を実施したが、いずれの変数についても有意な関連は認めなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

震災等の影響で開始が遅れたため、NVS日本語版の再現性(2回以上の反復測定)や妥当性(アウトカム及びゴールデンスタンダードの検討)の調査が十分にはできなかった。

今後の研究の推進方策

平成23年度に開発したNVS日本語版を利用してフィールド調査を行う。調査はヘルスリテラシー評価項目に加え,関連質問調査票として、(1)健康状態…健康状態は,健康診断結果(生化学検査,血算,HbA1c等),既往歴,現在の治療状態,受診状況、(2)包括的QOL…8-item short-form health survey (SF-8)、(3)教育歴…中学校卒業,高校卒業,大学卒業,大学院卒業、(4)個人属性…性別,年齢,身長,体重,居住地域,国籍等、(5)婚姻状態…1)独身,2)既婚,3)離婚,4)未亡人等も調査する。フィールドとして職域、学校、医療現場等を計画中である。

次年度の研究費の使用計画

研究協力者として、住谷(東京大学医学部)、五十嵐・草間(東京大学薬学部)、須賀(東京慈恵医科大学)、小田嶋(日赤東京血液センター)、高安(富士通)、笠井・川目(大東文化大学院)等の調査費(消耗品、翻訳費等)及び謝金として使用する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 健康医療政策とコミュニケーションの研究と実践の現状2012

    • 著者名/発表者名
      高山智子、中山健夫、秋山美紀、杉森裕樹、渡邊清高
    • 雑誌名

      日本ヘルスコミュニケーション学会雑誌

      巻: 2巻 ページ: 59-67

    • 査読あり
  • [学会発表] 働き盛り世代におけるヘルスリテラシー

    • 著者名/発表者名
      杉森裕樹
    • 学会等名
      第84回日本産業衛生学会 健康教育・ヘルスプロモーション研究会(招待講演)
    • 発表場所
      第84回日本産業衛生学第2会場(ホテルアジュール竹芝 16F 「曙」)
    • 年月日
      平成23年5月19日

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公開日: 2013-07-10  

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