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2012 年度 実施状況報告書

虐待予防の家庭訪問支援におけるアメリカの両親調査の活用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23590822
研究機関愛知淑徳大学

研究代表者

白石 淑江  愛知淑徳大学, 福祉貢献学部, 教授 (10154361)

研究分担者 棚橋 昌子  愛知淑徳大学, 福祉貢献学部, 教授 (50149499)
坂 鏡子  名古屋学芸大学, 健康科学部, 准教授 (70434636)
キーワードParents Survey / Healthy Families America
研究概要

本研究は、虐待予防を目的とした米国Healthy Families Americaの家庭訪問プログラムで採用されている、アセスメント・ツール「Parents Survey」(以下、両親調査と言う)の日本語版を作成し、わが国で活用する意義と課題を明らかにすることを目的としている。
平成23年度は、愛知県内の自治体3市に協力を依頼し、家庭訪問事業において「両親調査(日本語版)」を実施するための事前調査を行った。その結果、①両親調査のスキルの習熟、②記録用紙の簡略化の2つの課題が明らかになり、3市の担当課職員、及び家庭訪問員、研究協力者、研究分担者による研究会を重ね、記録用紙の簡易化を検討した。
平成24年度には、両親調査の著作権を持つGreat Kids Inc(以下、GKI)が主催する研修(Parents Survey Technical Assistance)を受け、「両親調査(日本語版)」の普及や訪問員のトレーニング方法について研修するとともに、記録用紙(簡易版)の使用についての許可を得た。
平成24年度には、愛知県内の妊娠届出書に虐待予防の視点が盛り込まれ、県内全市町村において統一様式が導入されたため、これを活用して「両親調査」の対象家庭をふるいわけるシステムを検討した。その結果、3市において「妊娠届出書」を出発点とした虐待予防のための支援システムが整い、対象家庭の訪問支援事業において「両親調査」を実施することができるようになった。今後は、「両親調査」の実施件数の増加に努め、そのデーターを解析して、家庭訪問支援のアセスメントツールとしての有効性を検討するとともに、「両親調査」の実施マニュアルを作成する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の研究計画より「やや遅れている」理由は、「両親調査」の実施に至るまでに予想以上の課題の解決と時間が必要となったことにある。
「両親調査」の対象は、一般家庭でなく、虐待予防の視点からふるい分けられた「支援を必要とする家庭」である。そのため、協力自治体(愛知県内3市)では、最初に対象家庭をふるい分ける段階から取り組む必要があり、その準備に時間がかかった。しかし、幸いなことに、ふるい分け項目を愛知県内統一の「妊娠届出書」に盛り込むことになり(平成24年度4月実施)、「両親調査」を実施する体制作りが進んだ。ただし、当初の計画より「両親調査」の実施件数はまだ少なく、今後、さらに実施件数を増やす努力が必要である。
しかし、反面、予想を超えて、「両親調査」をアセスメント・ツールとして活かすシステムの整備が進み、対象家庭に関する基礎的な情報を得ることができた。つまり「妊娠届出書」(スクリーニング)⇒「両親調査」(アセスメント)⇒支援計画(プランニング)⇒家庭訪問(サービス)という一連の流れがシステム化されたのである。今後はこのシステムを活かして、できるだけ「両親調査」の実施件数を増やす努力をしたい。

今後の研究の推進方策

平成25年度は、協力自治体3市において、次の調査を実施する。
第一は、「妊娠届出書」(愛知県統一様式)によるふるい分けの結果、及び、そこで把握された「支援を必要とする家庭」に関する基本情報を収集することである。
第二は、「両親調査」の実施件数とその結果の全体的傾向に関する基本情報の収集協力自治体の担当部署が把握しているデーターの中から、実施した件数全体のスコア分布、項目別の割合、ふるい分け結果との関連性について分析することである。
第三は、家庭訪問員を対象に、「両親調査」活用の意義と実施上の課題について、聞き取り調査を行う。調査期間は平成25年6月~9月の4か月間とする。聞き取り調査の内容は、i)「両親調査」の意義、ii)実施上の困難や疑問の2点とする。
以上の結果に基づいて虐待予防を目的とした家庭訪問事業において、「両親調査」(日本語版)をアセスメント・ツールとして活用する意義を明らかにする。また、活用した家庭訪問員の聞き取り調査の結果を踏まえて、調査項目の文言や文章を日本の社会や子育て文化に適する表現に修正するとともに、実施マニュアルを作成する。

次年度の研究費の使用計画

研究の最終年度であり、調査データーの集計、資料の整理のためのアルバイトを雇用する。ただし、倫理的配慮を要するため、勤務地は協力自治体の役所内とし、人事管理は担当課に依頼する。
また、3市で実施する「両親調査」の実施に関する聞き取り調査において、協力する家庭訪問員が非常勤の場合には、聞き取り調査の所要時間数に相当する謝金を支払う。
さらに、病院内で「両親調査」を実施している研究者3名を招聘し、研究会を開催するため、情報提供者に謝金を支払う。
最後に研究結果を総合し、調査研究報告書を作成、印刷する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 虐待予防を視野に入れた津島市支援システムの検討

    • 著者名/発表者名
      佐藤衣理, 中嶋咲喜, 河野明美,岩間裕子,緒方京,白石淑江
    • 学会等名
      愛知県小児保健協会学術研修会
    • 発表場所
      愛知県、あいち小児保健医療総合センター大会議室
  • [学会発表] ハイリスク家庭を妊娠中から支援する取り組み

    • 著者名/発表者名
      江端亜紀子,佐藤めぐみ,濱地恵美,野澤智子,坂鏡子,白石淑江
    • 学会等名
      愛知県小児保健協会学術研修会
    • 発表場所
      愛知県、あいち小児保健医療総合センター大会議室

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公開日: 2014-07-24  

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