研究課題/領域番号 |
23590823
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研究機関 | 京都女子大学 |
研究代表者 |
中村 保幸 京都女子大学, 家政学部, 教授 (20144371)
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研究分担者 |
上島 弘嗣 滋賀医科大学, 学内共同利用施設等, 名誉教授 (70144483)
三浦 克之 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (90257452)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | レプチン / アディポネクチン / 潜在性動脈硬化 / 疫学研究 |
研究概要 |
当初本年度に 血清レプチン、アディポネクチンの測定を行う予定であったが、次年度に繰り越したい。その理由は凍結血清は数個に分割して凍結しているが、1つの標本を解凍して2指標のみを測定すると血清に余分が多く残る。再凍結、再解凍を繰り返すと測定する物質によっては大きな誤差を生じる。このため可能な限り多くの生化学物質を測定することが望ましいが、今年度は他の共同研究者の研究資金が潤沢でない。来年度には獲得できる研究資金の目処が立っているため、両者の測定も他の生化学物質と合わせて測定を行いたい。 一方、INTERLIPIDデータセットを用いて同様の解析を行った。対数変換CRP(lCPR)と他の変数との地域(日本とハワイ)および性別で調整した偏相関関係を調べると年齢、BMI、収縮期血圧、対数変換レプチン(lLept)、HbA1C(糖尿病指標)、喫煙本数と有意な正相関があり、対数変換アディポネクチン(lAdipo)とは有意な負相関があった。運動強度、食事総摂取熱量とは有意な相関はなかった。 次にlCRPを従属変数とし、調整因子として地域、年齢、収縮期血圧、HbA1C、喫煙本数、運動強度、食事総摂取熱量を投入し、lLeptまたはlAdipoが炎症マーカーであるlCRPを規定するか男女別に検討した。その結果、男女ともlLeptはlCRPの有意な正の関連因子、lAdipoはlCRPの有意な負の関連因子であることが判明した。しかしさらにBMIおよび相互関連があるかの検討のためBMIとlLeptないしlAdipoの積を投入すると男性におけるlLeptはlCRPの有意な正の関連のみが残り、他の関連は有意性が消失した。従って安全なレプチンの拮抗因子が作成出来れば肥満とは独立して炎症を抑制し動脈硬化を抑制することが期待できるが、アディポネクチンはその効果が限定される可能性があることを示唆した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初本年度に 血清レプチン、アディポネクチンの測定を行う予定であったが、次年度に繰り越したい。その理由は凍結血清は数個に分割して凍結しているが、各研究対象者の1つの標本を解凍して2つのみを測定すると血清に余分が多く残る。再凍結、再解凍を繰り返すと測定する物質によっては大きな誤差を生じる。このため可能な限り多くの生化学物質を測定することが望ましいが、今年度は他の共同研究者の研究資金が潤沢でない。来年度には獲得できる研究資金の目処が立っているため、両者の測定も他の生化学物質と合わせて測定を行いたい。
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今後の研究の推進方策 |
<血清レプチン、アディポネクチンの測定>測定業者に依頼して保存血清レプチン、アディポネクチンを測定する。測定時期が単一統一出来ないときは系統的誤謬が生じないように配慮する。<統計解析>必要により運動量、摂取総熱量で調整した主要栄養素摂取量を加えた解析を行う。従属変数に心臓CT で得られる冠動脈石灰化、頚部超音波検査での内頚動脈中内膜肥厚など潜在的動脈硬化病変の程度、または炎症マーカー高感度CRP を投入し、アディポサイトカインとの関係を肥満係数、腹囲、腹部CT で得た内臓脂肪面積、年齢などの交絡因子を考慮に入れて検討する。必要により食品摂取頻度、運動量などの交絡因子を加えての解析を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
<血清レプチン、アディポネクチンの測定> 測定業者に依頼して保存血清レプチン、アディポネクチンを測定する。<旅費> 海外学会でのINTERLIPIDの結果報告<統計ソフト>
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