研究課題
ERA JUMPの第一の目的は,非侵襲的に評価できる冠動脈石灰化度や頸動脈内膜-中膜肥厚度(IMT)により,潜在的動脈硬化の進展度を比較すること。これまでに,一般住民を対象としてこのような国際比較が行われたことはなく,非常にユニークな研究といえる。その結果,日本人では潜在性動脈硬化がほとんど進展していないことが明らかになった。そこで遺伝的な要因についても検討を行うため,日本人と共通した遺伝的背景をもつハワイの日系人コホートもあとから加わった。だがハワイの日系人でもアメリカ人と同様に潜在性動脈硬化が進んでいることが明らかになり,こうした進展度の違いには遺伝子以外の要因が関与していることが示唆される結果となった。そこでさらに研究をすすめ、以下の結果を得た。<研究1>では日本およびハワイ在住の日本人の一般中年男性住民を対象にCT検査による大動脈石灰化と喫煙の影響について検討した。大動脈石灰化は日系米人に比べて日本在住男性において遙かに少なかった。喫煙率は日本在住男性が高かった。喫煙は大動脈石灰化に寄与する独立因子であった。従って大動脈石灰化の両者の差は喫煙では説明されなかった。<今後の研究>「血清レプチン、アディポネクチンと潜在性動脈硬化進展度に関する研究」について平成24年度に血清レプチン、アディポネクチンの測定[測定業者に依頼して保存血清を解凍してレプチン、アディポネクチン測定を完了したところである。今後レプチン、アディポネクチンとCT検査による冠動脈石灰化、および頸動脈超音波検査により得た頸動脈内中膜肥厚(MIT)のとの関連を交絡因子を考慮して解析を実施する予定である。
2: おおむね順調に進展している
平成24年度に血清レプチン、アディポネクチンの測定[測定業者に依頼して保存血清を解凍してレプチン、アディポネクチン測定を完了したところである。今後レプチン、アディポネクチンとCT検査による冠動脈石灰化、および頸動脈超音波検査により得た頸動脈内中膜肥厚(MIT)のとの関連を交絡因子を考慮して解析を実施する予定である。
採取するデータは全て集まったので、次年度は統計解析、学会発表、論文発表を推進していく予定である。
主に海外の学会での発表に対する渡航費に当てる。
すべて 2013 2012
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)
Eur J Nutr
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PMID: 23224055.
J Electrocardiol
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PMID: 22308300.