研究課題/領域番号 |
23590824
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
由良 晶子 近畿大学, 医学部, 講師 (80142595)
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研究分担者 |
伊木 雅之 近畿大学, 医学部, 教授 (50184388)
玉置 淳子 大阪医科大学, 医学部, 教授 (90326356)
平野 豊 近畿大学, 医学部附属病院, 准教授 (40218805)
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キーワード | 心血管疾患 / 骨粗鬆症 / 骨粗鬆症 / 無作為標本 / 前向きコホート研究 / 地域保健 |
研究概要 |
JPOSコホート研究の満15、16年追跡調査を実施した5地域で、追跡調査時40歳以上の内94.2%(1998人/2122人)について循環器疾患発症の有無について情報収集した。この内、ベースライン調査開始時50歳以上であった1137名中、循環器疾患発症ありと回答した者は、76名であった。調査開始時の基本的属性及び骨代謝指標をみると、循環器疾患発症有りと回答した76名では発症無し群に比べ、年齢及び総コレステロール値が有意に高かったが、骨密度、骨折既往歴、骨代謝指標値には有意な差を認めなかった。沖縄県M市を除く4地域において同意の得られた者について医療機関への診断確認調査を行ない、脳卒中14名、心筋梗塞3名の計17名について診断の確認が得られた。4地域の928名について、診断が確認された心血管疾患発生の有無別の2群で、骨粗鬆症性骨折既往歴の有無、骨密度、骨代謝指標について検討したが、有意な差は認めなかった。 副次的結果指標については、15年次追跡調査時に血圧脈波検査装置(オムロンコーリン、formPWV/ABI)を用い、上腕-足首動脈脈波伝播速度(PWV)を4地域1097名について1名の専従測定者によって測定した。この内、10年次と15年次追跡調査を受診した401名について、5年間の骨密度の変化と、PWV及び足関節上腕血圧比(ABI)の変化の関連を検討した。その結果、10年時に65歳未満であった219名では、動脈硬化関連指標であるABIの年間変化率が、年齢、10年時のABI、骨密度(大腿骨近位部、大腿骨頸部)の値と独立して、骨密度の年間変化率と有意な正の相関を示した。これによって、65歳未満の地域在住女性では、その後5年間の骨密度の減少の度合いが大きい程、動脈硬化の進展が大きくなる可能性が示唆された。
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