研究課題/領域番号 |
23590825
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研究機関 | 関西福祉科学大学 |
研究代表者 |
倉恒 弘彦 関西福祉科学大学, 健康福祉学部, 教授 (50195533)
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研究分担者 |
平田 まり 関西福祉科学大学, 健康福祉学部, 教授 (90173244)
大川 尚子 関西福祉科学大学, 健康福祉学部, 准教授 (70369685)
長見 まき子 関西福祉科学大学, 健康福祉学部, 准教授 (10388663)
中富 康仁 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 総合診療担当 (90566184)
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キーワード | 自律神経機能 / 睡眠・覚醒リズム / 酸化ストレス / 抗酸化力 / 疲労 / 抑うつ / 睡眠異常 / メンタルヘルス障害 |
研究概要 |
【目的】東日本大震災被災地域の1つである気仙沼市における学校教職員の疲労病態を調査し、疾病予防プログラムの構築に活用できる疲労の客観的な特徴を明らかにする。 【対象】疲労調査を希望した気仙沼市教職員430名(男性220名、女性210名)と大阪府学校教職員304名(男性131名、女性173名)、関西在住の健常者53名(男性25名、女性28名)を対象とした。 【方法】問診票を用いた自覚症状調査とともに、自律神経機能評価を実施し、気仙沼市教職員群を大阪府教職員群、健常者群と比較検討した。 【結果】自覚症状調査では気仙沼市教職員群は健常者群と比較して身体的疲労、精神的疲労、総合的疲労尺度のすべてが有意に上昇しており、強い心身の疲労を自覚していることが明らかになった。自律神経機能解析でも、気仙沼市教職員群は交感神経系の相対的な過緊張状態がみとめられ、震災ストレスに伴う自律神経系の異常が自覚的な心身の疲労と結びついていることが判明した。同様に、大阪府教職員群も健常者群と比較して身体的疲労、精神的疲労、総合的疲労尺度のすべてが有意に上昇しており、自律神経機能解析でも大阪府教職員群は相対的な交感神経系機能亢進状態にあることが明らかになった。気仙沼市教職員群と大阪府教職員群には有意な差は認められなかった。 【結論】気仙沼市教職員群では、震災ストレスが自律神経系の異常と自覚的な心身の激しい疲労の誘因となっている可能性が明らかになってきた。また、大阪府教職員群においても自律神経系の異常と自覚的な強い疲労が認められ、教職員の職場環境ストレスが同様の病態を引き起こしている可能性も判明した。現状では、両群ともにメンタルヘルス障害に陥るリスクが高いと思われ、今後、睡眠・覚醒リズム解析などの客観的な評価を行うことにより、疾病予防に向けての支援を行うことが望ましい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の達成度:100%(平成24年度に計画した内容はほぼすべて実施できた) 気仙沼市教職員430名、大阪府学校教職員304名、健常者53名と当初予想した以上の被験者を対象に問診票を用いた自覚症状調査とともに自律神経機能評価を実施することが可能であった。 その結果、気仙沼市教職員群は健常者群と比較して身体的疲労、精神的疲労、総合的疲労尺度のすべてが有意に上昇しており、強い心身の疲労を自覚していることが明らかになった。自律神経機能解析でも、気仙沼市教職員群は交感神経系の相対的な過緊張状態がみとめられ、震災ストレスに伴う自律神経系の異常が自覚的な心身の疲労と結びついていることが判明した。 さらに、東日本大震災地区に対するコントロールとして大阪地区の学校教職員の調査を行ったところ、東日本大震災とは無関係の大阪地区の教職員においても、身体的疲労、精神的疲労、総合的疲労尺度のすべてが有意に上昇しており、自律神経機能解析でも大阪府教職員群も相対的な交感神経系機能亢進状態にあることが明らかになった。 以上の結果より、学校教職員における自覚的な強い疲労と自律神経系異常との関連が認められ、教職員の職場環境ストレスが自律神経系異常を介した体調不良と結びついている可能性が示唆された。
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今後の研究の推進方策 |
平成23-24年度と同様、臨床研究に協力的な大学生(100名)、一般労働者(200名)を対象として、メンタルヘルスに関する調査票を用いてストレスの有無や本人が自覚しているメンタルヘルスの状態を評価するとともに、生活環境ストレス関連のバイオマーカーを用いて客観的な評価を実施し、本人の自覚しているメンタルヘルスの状態と上述のバイオマーカーとの関連を解析し、客観的な評価法を確立する。
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次年度の研究費の使用計画 |
1. 研究に協力してくれる大学生、一般労働者への謝金 20万円 2. 上記調査に必要な消耗品の購入 30万円 3. 研究成果の発表のための学会出張旅費 5万円 4. 雑費:研究資料の郵送、資料の作成など 5万円
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