研究課題/領域番号 |
23590825
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研究機関 | 関西福祉科学大学 |
研究代表者 |
倉恒 弘彦 関西福祉科学大学, 健康福祉学部, 教授 (50195533)
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研究分担者 |
平田 まり 関西福祉科学大学, 健康福祉学部, 教授 (90173244)
大川 尚子 関西福祉科学大学, 健康福祉学部, 准教授 (70369685)
長見 まき子 関西福祉科学大学, 健康福祉学部, 准教授 (10388663)
中富 康仁 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (90566184)
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キーワード | 自律神経機能 / 睡眠・覚醒リズム / 酸化ストレス / 抗酸化力 / 疲労 / 抑うつ / 睡眠異常 / メンタルヘルス障害 |
研究概要 |
【目的】東日本大震災被災地域の宮城県A市における学校教職員の疲労病態を調査し、疾病予防プログラムの構築に活用できる疲労の客観的な特徴を明らかにする。 【対象と方法】2013年度も疲労調査を希望したA市教職員142名を対象とし、問診票を用いて、身体的疲労、精神的疲労、総合的疲労を判定、さらに客観的な疲労評価として自律神経機能評価と睡眠・覚醒リズム解析を実施した。 【結果】2013年度調査結果でも、身体的疲労、精神的疲労、総合的疲労のすべてが高く、自律神経機能解析でも交感神経系の相対的な過緊張状態が確認され、震災後2年が経過しても強い心身の疲労状態が続いていることが明らかになった。2013年度は、睡眠・覚醒リズムについても評価したところ、日中の活動量の低下、いねむり回数の増加が認められた。さらに、覚醒時活動量(覚醒時ZC)は、自律神経バランスを反映するlogLF/HF比と有意な負の相関がみられ、覚醒時の活動量が低下しているものは自律神経バランスは交感神経系が優位になっていることが判明した。睡眠効率の評価では、疲労に伴う睡眠の質の低下はみられなかった。 【結論】2011-13年度研究により、一般労働者においては、自覚的な疲労感の増強と共に交感神経系の相対的な過緊張状態がみられることが明らかになった。さらに、疲労病態では日中の活動量の低下やいねむり回数の増加が確認され、客観的評価が可能であることも判明した。疲労回復には休養と睡眠が重要であるが、多くの職員が心身の疲労を自覚しながらも働かざるを得ない状況においては、疾病の予防に向けてどの職員を休養させる必要があるのかを客観的に判断する必要がある。このような場合、自律神経機能評価と睡眠覚醒リズム評価の活用が極めて有用な対策となることが判明した。
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