研究課題/領域番号 |
23590826
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研究機関 | 大阪青山大学 |
研究代表者 |
宮本 邦彦 大阪青山大学, 健康科学部, 教授 (70411759)
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研究分担者 |
中島 英洋 大阪青山大学, 健康科学部, 教授 (00411760)
団野 源一 大阪青山大学, 健康科学部, 教授 (70031185)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 回避行動指標 |
研究概要 |
平成23年度は障害物回避行動観察測定機の開発を行った。この装置はこれまで手動であったボール発射機を動力式に改良し、発射速度を段階的に上昇させて回避行動を観察測定することができるよう改良を加えた。日本人の回避可能なボール速度を全身反応時間から算出し、6.6m/秒とした。この速度まで段階的に速度を上げることで、これまでは保育児、幼稚園児が対象者であったが、全年齢層を対象に測定できることとなった。また、これまで回避行動指標としていた接触性生起率、最短反応時間、平均反応時間に加え、回避限界速度(被験者が回避出来る最も速いボールの速度)が測定できることが明らかになった。その他の改良点はまた(1)被験者が立つ感圧マットをホースプレートと交換可能とした。ホースプレートは被験者が立つ台で被験者の回避行動時に生じる足の圧力をモニターできるプレートで被験者の姿勢の画像と重ねることにより回避行動時の動きと足にかかる力を解析時することができる。(2)液晶ゴーグルの改良(ボールの遮光性能の向上)、(3)映像の保管整理のために映像にマーカーを加える測定ランプの設置し、解析時の映像整理と検索の効率化を図った。(4)被験者1人当たりの測定時間は5分から3分程度に短縮が出来た。この装置による測定調査を保育60名、幼稚園児120名、小学生1,2,3年生360名を対象として実施した。この結果の解析は現在実施中である。また身体基本機能として全身反応時間、重心動揺(小学生のみ実施)、身長と体重、生活活動量、生活と食習慣アンケートを同時に実施し、現在集計中である。上記の調査のために重心動揺計を購入した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の第1の目標は障害物回避行動が効率的に広範囲の年齢層に適用できる観察測定機の製作と観察手順を確立することである。今年度ほぼ完成することが出来た。今年度の詳細改良項目は、(1)スムーズな観察を可能にし、観察測定時間を短縮するためボールの連続セッティング装置を付ける。ことであったが被験者の立ち位置やゴーグルの調整に補助員が必要であり、この補助員がボールの回収と返送を素早くできること、ボールのセット装置は広いスペースがいることから割愛した。(2)ボール発射装置を改良自動化し、発射速度(2~6.6m/秒)とした。発射左右角度の変更が無作為、または意識的に行えるようにするについては被験者に与える影響が小さいこと、また測定結果が煩雑となり解析が困難となることが考えられるため発射角度は変えずに測定することにした。(3)発射装置の制御や被験者の観察と測定値等を一体的に管理し、記録するソフトは作成したので操作性が向上し、解析時間の短縮が出来た。一部ソフトの改良の余地があり次年度に実施する。2)障害物回避行動力、身体基本機能、体位と運動能力の調査 小学1,2,3年生90~120名(追跡集団)を対象に第2世代回避行動観察測定機による回避行動の観察測定、身体基本機能(全身反応時間:光全身反応測定器[TK1508]、重心動揺:グラビコーダー:[GS-7])の測定を行う。体位と運動能力(50m走、ソフトボール投げ)の測定は既存データを使用する。3)生活習慣調査(アンケート調査)と生活活動量調査 家族を対象にアンケート調査を行い生活習慣(食物摂取頻度含む)と生活活動量を調査する4)障害物回避行動を高める運動や遊びを取り入れた方法の検討 平成23年度の各種測定調査後の1,2,3年生を追跡観察集団とし、障害物回避行動を高める運動や遊びを取り入れた運動習慣、生活習慣について検討する研究会を開催する。
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今後の研究の推進方策 |
1)障害物回避行動観察測定、身体基本機能、体位と運動能力、生活習慣と生活活動量調査を小学生2,3,4年生(追跡集団2度目)と2,3,4年生(対象集団:1度目)を調査する。内容 (1)7~11歳の年齢別回避行動指標の作成 (2)傷害発生と障害物回避行動指標の関連を検討する。(3)身体基本機能、運動能力、体位等との回避行動指標との関連を検討し、傷害事故発生の原因を検討する。(4)前年の結果と合わせて回避行動と発達と発育の面から回避行動を解析する。2)障害物回避行動を高める運動や遊びを取り入れた方法の検討。平成23年度追跡集団2,3,4年生を対象に、(1)研究会を通じて、障害物回避行動を高める運動や遊びを取り入れた運動習慣、生活習慣を検討する。(2)このような運動や生活を実践したものとしなかったものの障害物回避行動力を前年の結果と比較観察する。
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次年度の研究費の使用計画 |
1)障害物回避行動観察測定調査を小学生2,3,4年生(追跡集団2度目)と新たな集団(対象集団:1度目)を調査。(1)7~11歳の年齢別回避行動指標を作成する(調査補助員15万円)。(2)調査結果の入力作業補助員費(6万)。2)障害物回避行動を高める運動や遊びを取り入れた方法の検討。平成23年度追跡集団2,3,4年生を対象に、(1)研究会を通じて、障害物回避行動を高める運動や遊びを取り入れた運動習慣、生活習慣を検討する。(2)このような運動や生活を実践したものとしなかったものの障害物回避行動力を前年の結果と比較観察する(会議費3万)。3) 回避行動観察測定装置プログラム修正費、発射音遮断のための防音具とヘッドホーンプレイヤー等物件費(12万)、学会発表費用参加費と旅費等(旅費14万)
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