研究課題/領域番号 |
23590826
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研究機関 | 大阪青山大学 |
研究代表者 |
宮本 邦彦 大阪青山大学, 健康科学部, 教授 (70411759)
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研究分担者 |
中島 英洋 大阪青山大学, 健康科学部, 教授 (00411760)
団野 源一 大阪青山大学, 健康科学部, 非常勤講師 (70031185)
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キーワード | 衝突回避行動 / 子ども / 接触生起率 / けが / 運動能力 / 身体反応 / ストレス |
研究概要 |
学校管理下での事故件数は安全対策の進捗とは反対に増加している。このことは事故が環境対策のみでは解決するものではなく、子どもの事故についての研究が必要であろう。子どもの事故についての研究はこれまで見当たらない。事故の主な原因は衝突、転倒、切り傷、落下などの状況下で起きている。我々は比較的頻度が高く、事故の身体的影響が大きい衝突による事故をとりあげ、事故の発生とその背景を検討することにした。この研究では次の項目が検討された。①子どもの衝突回避能力が測定できる装置とその能力指標を開発し、その意義を検討する。②この装置を使って各年齢の子どもの衝突回避能力を測定し、その指標の性・年齢別実態を把握する。③同時にアンケート調査によりこの子どもたちの体位、食・生活習慣、運動、ストレス等の背景因子と指標の関連を分析する。④また被験者が一年間に経験した事故や事故の発生状況がこの指標とどのような関連があるかを検討する。この結果①ボール速度を段階的に速めて、被験者の衝突回避行動を観察測定する装置を開発した。この装置は子どもから成人まで全年齢の回避行動指標が測定可能である。この装置は接触生起率(最大15回の試行数の内で回避に失敗した回数の割合)や回避限界速度(回避可能な最大ボール速度)、またビデオ録画により回避スタイルが観察できる。②この2つの指標は加齢とともに向上するが、性別では異なっていた。③a)同年齢者の回避能力を左右する要因は幼児期では生活活動量であり、b)学童期の高学年では運動能力(走力、投力、持久力など)であった。またc)ストレス身体反応(疲れる、頭痛、腹痛、手足の痛み)の有訴者との関連が強く見られた。e)ケガの発生状況(落下事故、刃物に触れて、熱いものに触れて)では事故経験者に接触生起率の高い人が多かった。d)ケガの種類とは打撲事故の経験者は接触生起率が有意に高かった。
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