研究課題
日本人における循環器発症リスクは欧米人と大きくことなるが、我々は吹田コホートの約20年の追跡データをもとに10年間の虚血性心疾患発症リスクに関する予測スコア(以下吹田スコア)を開発した。同スコアでは、新規のリスクとして慢性腎臓病(CKD)を取り入れており、FRSが実際の発症確率に比べ、リスクを過大評価するのにくらべ、より正確に日本人の虚血性心疾患発症リスクを予測できることを示した。またCKDを取り入れることにより予測精度(net reclassification improvement, NRI)が42.1%向上した。(P<0.001)(J Atheroscler Thromb. 2014 Mar 25 )一方、新規の循環器発症の予測因子として、神戸大学循環器科と共同で、冠動脈疾患患者でリポ蛋白酸化を促進するGranular leukocyte-derived myeloperoxidase (MPO)とHDLの抗酸化器質であるparaoxonase 1 (PON1)の比MPO/PON-1 が再狭窄(odds ratio 12.7, P=0.001) 新規狭窄(odds ratio 5.2, P=0.039)に関連していることを見出した(Atherosclerosis. 2014;234(2):288-294).またapolipoprotein B48が新規発症患者で高値であること(Clin Chim Acta. 2013 Jun 5;421:51-6)更に質量分析によるメタボローム解析において、冠動脈疾患患者と健常者でisobutylamine, sarcosine, homoserineなどが異なることを見出している。(Circ J. 2012;76(8):1864-73)
すべて 2014
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件)
J Atheroscler Thromb.
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Atherosclerosis
巻: 234 ページ: 288-294
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Clin Chim Acta
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