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2012 年度 実施状況報告書

アメーバ性角膜炎迅速診断法に応用可能なアカントアメーバ特異抗原蛋白質の同定と発現

研究課題

研究課題/領域番号 23590836
研究機関大阪府立公衆衛生研究所

研究代表者

木村 明生  大阪府立公衆衛生研究所, 企画総務部, 課長 (00250283)

研究分担者 枝川 亜希子  大阪府立公衆衛生研究所, 衛生化学部, 主任研究員 (80321941)
倉田 貴子  大阪府立公衆衛生研究所, 感染症部, 研究員 (70435890)
キーワードアカントアメーバ / 特異抗原蛋白質
研究概要

本研究は、アカントアメーバの特異抗原蛋白質を標的としたより簡便で迅速な免疫学的検出・同定法開発の基礎となる、アカントアメーバの特異抗原蛋白質の同定を目的として、当該年度は以下の実験を実施した。
1)ヒト角膜上皮培養細胞を用いた細胞障害性の検討
ヒト角膜上皮培養細胞を用いたAcantahmoeba病原性の評価方法を検討した。病原性の異なるアメーバ(A. castellani、A. polyphaga、A. palestinensisおよびA. astronyxsis)の細胞傷害性を、ヒト角膜上皮細胞(HCE-T)を用いて比較した。その結果、病原性種とされている2種(A. castellanii、A. polyphaga )および非病原性種とされている1種(A. palestinensis)に細胞傷害性が確認された。一方、非病原性種とされている遺伝子型7(T7)であるA. astronyxis 30137株では細胞障害性が認められなかった。現在、細胞傷害性をLactate Dehydrogenase(LDH)で定量化する予備実験中であり、今後はさらに詳細な解析が可能になることが期待される。また、A. castellaniにおいては、昨年度に作製したウサギポリクローナル抗体を用いて中和試験をおこなった結果、。血清をそれぞれ最終濃度50倍、100倍希釈まで細胞傷害性を阻止した。
2)蛋白質の解析について
A. polyphaga, hatchetti,およびcastellani(環境およびヒト由来株)のSDS-PAGEをおこなったが、泳動パターンに大きな違いは見られなかった。A. castellaniヒト由来株は、ウサギ免疫血清を作成し原虫抗原のウエスタンブロット解析を行った。現在は当該の抗体を用いて、他のAcanthamoeba属原虫との抗原性の違いを検討中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の予定よりやや遅れている理由は以下の通りである。
1. 次世代シークエンサーを用いたA. castellanii cDNAの網羅的な比較解析を実施する予定で準備を進めていたが、方法として適切でない事が判明し、年度途中よりcDNAライブラリー構築からやり直したため。
2. 環境分離株の無菌培地への馴化に時間を要してしまい、HCE-T細胞への細胞障害性の検討を行なえなかったため。
3. 年度途中より1名の分担研究者が休職したため。

今後の研究の推進方策

1)Acanthamoeba病原性種に特異的な蛋白質の解析
A. castellaniiのcDNAライブラリーを抗アカントアメーバウサギ抗体によりイムノスクリーニングし、選択したクローンのcDNAの塩基配列を特定し、病原性Acanthamoebaで発現している抗原蛋白質を同定する。
2)既報の病原性関連因子と細胞傷害性の関連性の検討
既報の病原性に関連するといわれる分子 (mannose-binding protein: MBP, serine protease, cysteine protease)については、いまだデータベース上の情報が殆どない。そのため、これらの塩基配列をアメーバ種ごとに決定して比較検討し、それらの配列の分類パターンと細胞傷害性との関連をみる。

次年度の研究費の使用計画

物品費としては、cDNAライブラリー構築およびスクリーニング用、Acanthamoeba液体培養及びヒト角膜上皮培養細胞培養用の消耗品等を予定している。また旅費として、協力研究者との研究打ち合わせおよび国内外の学会参加費・旅費の支出を予定している。

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公開日: 2014-07-24  

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