研究課題/領域番号 |
23590839
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研究機関 | (財)放射線影響研究所 |
研究代表者 |
小笹 晃太郎 (財)放射線影響研究所, 広島疫学部, 部長 (20204191)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 放射線 / 疫学 / 原子爆弾 / 乳がん / 内因的サブタイプ / 病理学 / 追跡調査 |
研究概要 |
当研究所での寿命調査(LSS)集団の1958~2005年の追跡調査において、地域がん登録、放影研での剖検記録等の情報にもとづいて、広島・長崎合わせて1700例の乳がんと思われる症例が抽出された。本研究ではこれらについてまず、病理医によるHE標本の鏡検を行い、乳がんの確定診断を得たものを対象として、intrinsic subtype(内因的サブタイプ)について、次の手順で染色および診断を行う。すなわち、第一段階として全症例のER、PR、HER2、およびKi67による染色を行い、Luminal A型、Luminal B型、HER2過剰発現型、三重陰性型に分類し、三重陰性例に対してCK5/6およびHER1による染色を行って、基底類似型と分類不能型とする。この1700例のうち個人線量が推定されている症例は1240例である。そのうち、34%が5mGy未満、47%が5~500 mGy未満、19%が500mGy以上である。平成23年度末現在での進捗状況は、上記の必要な症例の同定が終了し、HE染色標本による乳がんの確定診断が進行中である。HE標本を診断している3人の病理医のうち、2人がそれぞれ約900例、1人が約150例の診断を終了した。免疫組織染色については試験的染色を行い、判定基準に関する標準化を行った。現在、対象症例のパラフィンブロックの収集を開始したところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究対象者についてHE染色標本による乳がんの確定診断が進行中であり、約900例について2人の病理医の診断が終了し、他の1人については約150例が終了した。免疫組織染色については試薬を購入して作業環境をセットし、対象となる症例のパラフィンブロックの収集を開始したところである。したがって、おおむね順調であると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
予定どおり、乳がんHE染色標本の診断を進め、乳がんと確定診断されたものについてはパラフィンブロックの入手に努め、内因的サブタイプの免疫染色を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
主に、内因的サブタイプの免疫染色試薬の購入に充てる。
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