研究課題
当研究所での寿命調査(LSS)集団の1958~2005年の追跡調査において、地域がん登録等の資料から探索・抽出した乳癌およびその可能性のある症例について、病理医パネルで乳癌と確定診断された症例は、広島・長崎合わせて1615例であった。その内訳はWHO分類において、浸潤性乳管癌 81%、浸潤性小葉癌 2.3%、粘液癌 3.7%、浸潤性微小乳頭癌 1.6%、乳頭のパジェット病 0.7%、その他の上皮性腫瘍 3.6%、粘膜内癌 6.4%、その他の非上皮性腫瘍 0.6%であった。個人線量の分布は、34%が5mGy未満、47%が5~500mGy未満、19%が500mGy以上であった。これらのうち免疫染色に利用可能であった1377例について、細胞内エストロゲン受容体(ER)、プロゲステロン受容体(PR)、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2)、およびKi67(細胞増殖能を示す核内タンパク)に対する染色を行った。ER陽性であったものは75%、PR陽性は68%、HER2陽性は16%であり、いずれにも陰性の三重陰性例は11%であった。三重陰性例に対してサイトケラチン5/6(CK5/6)およびヒト上皮成長因子受容体1(HER1)による染色を行った。今後、上述以外の染色結果の判定を行い、Luminal A型、Luminal B型、HER2過剰発現型、三重陰性型(基底類似型および分類不能型)の各subtypeに分類した後、ぞれぞれのsubtypeに対する放射線被曝によるリスクの推定を行う。
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Radiat Res
巻: 181 ページ: 531-539
10.1667/RR13494.1
http://www.rerf.jp/programs/rp/canheads.html
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