平成23~25年度に行った100例以上の法医解剖事例について、大動脈、頸動脈、脳動脈さらに脈絡叢の組織材料、血清及び脳脊髄液のゼラチナーゼ分解活性の検討を行った。身元不明で開始して後に身元が判明した司法解剖事例から、大動脈及び冠動脈のびまん性内膜肥厚及び組織内ゼラチン分解活性が年齢推定に有効であることが分かった。血管壁組織脆弱性の視点から、血管病変の危険因子である高血圧をもたらす、未検査の続発性アルドステロン症の頻度を組織学的に調べ、充分注意が払われていないことに対して警鐘を鳴らした。動物実験では、血管のびまん性内膜肥厚は線維化の一種であるという考えから自己免疫疾患モデルマウスの解析を行った。
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