合成麻薬MDMAについて,覚醒剤メタンフェタミン(MA)と構造がよく似ていることから,生体の反応は覚醒剤の反応とどこが同じで,何が異なるのかを明らかにする目的で,合成麻薬MDMAとMA とをマウスに長期投与し,脳や心臓における各種因子について包括的に解析した。その結果,マウスの体重はいすれも生食水を投与したブランクに比較し10-20日減少傾向を示した。その後はブランクとほぼ同じ比率で増加した。脳および心臓試料から包括的mRNA 解析を行った結果,脂肪や脂肪酸代謝因子,サイトカイン,転写因子,翻訳因子など多岐にわたる因子の変動が見られた。これらの結果は今後の解析の基礎となる。
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