研究課題/領域番号 |
23590856
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
中村 茂基 北里大学, 医学部, 講師 (70130268)
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研究分担者 |
栗原 克由 北里大学, 医学部, 教授 (90138123)
古川 理孝 北里大学, 医学部, 講師 (90051911)
村上 千香子 北里大学, 医学部, 助教 (30433717)
入江 渉 北里大学, 医学部, 助教 (80597352)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 心筋症 / アンキリン反復タンパク / テレトニン / タイチン / 心臓性突然死 / 遺伝子解析 / 遺伝子診断 |
研究概要 |
剖検時心筋症と診断された心臓性突然死症例について,サルコメア構成要素(タイチン),Z帯構成要素(テレトニン)および心アンキリン反復タンパクをコードしている遺伝子について,心肥大を伴う心臓性突然死症例およびその他特異的疾患のない突然死症例を対照として遺伝子変異解析を行い,我が国における心筋症に基づく心臓性突然死の実体を究明することを目的としている.本年度は心アンキリン反復タンパクをコードしている遺伝子ANKRD1について変異の有無を検討した.解析資料はすでに収集されているHCM 28例,DCM 19例,ARVC 3例,対照例として心重量500g以上の心肥大を伴う突然死症例24例,その他の突然死症例(交通事故等)200例の血液および心筋である.ANKRD1は9176 bpのDNAで9のエクソンより構成されており,NCBIデータベースより得られた塩基配列に基づきプライマーを作成し,上記資料の血液および心筋より抽出したDNAについて,GeneAmp PCR System 9700サーマルサイクラーによりPCR増幅を行った.増幅産物についてABI BigDye Terminator v3.1 Cycle Sequencing Kitにてダイレクトシークエンス反応を行い,ABI PRISM 3130 Genetic Analyzerによる泳動後, SeqScape® software ver.2.5.0にてシークエンス解析を行った.その結果,心筋症症例においてExon1および9,IVS3,4および7の計5ケ所に遺伝子変異を検出した.これら遺伝子変異と心筋症発症とのかかわりについては,タイチン,テレトニン遺伝子の解析と合わせ,平成24年度以降の研究にて明らかにしていく予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は心アンキリン反復タンパクをコードしている遺伝子ANKRD1について変異の有無を検討した.解析資料はすでに収集されているHCM 28例,DCM 19例,ARVC 3例であり,これらの遺伝子解析はほぼ予定通り終了した.しかし,対照例の解析がいまだ終了していないため検出されたANKRD1遺伝子変異と心筋症発症との関連については現在検討中である.
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究計画ではサルコメア構成要素(タイチン:TTN),Z帯構成要素(テレトニン:TCAP)について検討を行う.TTN については巨大DNAであるためANKRD1およびTCAP結合ドメインに関連するN2-A領域およびZ帯領域,さらに遺伝子変異の検出されているN2-B領域について解析を行う予定である.平成23年度と同様の資料を用いて遺伝子変異の検索を行い,すでに報告されている遺伝子変異が存在するかどうか,あるいは病因となり得るような新しい重大な遺伝子変異が存在するかどうか検討を行う.さらに,臨床データが得られている症例については,そのデータとの関連から,早期診断および予後の推定の可能性についても検討する.新たに追加された症例についても同様に検討を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
本研究を遂行するには,血液および心筋からDNAを抽出するための試薬類,遺伝子変異検出のための各種プライマー合成費用およびDNAシーケンシング用試薬類,さらにピペットチップをはじめとする消耗品等が必要であり,平成24~25年度研究経費はこれら試薬類の購入等に使用される.さらに平成25年度には研究成果発表のために国際学会参加のための旅費も予定している.平成23年度は対照資料の解析が終了しておらず,平成23年度残金はその解析のための試薬類購入に使用される.
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