研究課題/領域番号 |
23590857
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
李 暁鵬 (中内 暁博) 昭和大学, 医学部, 講師 (90245829)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 超高速UFLC / リニアイオントラップ / タンデムMS / マススペクトルライブラリー / 高速高感度分析 / ベンゾジアゼピン系薬剤 / 非ステロイド系抗炎症鎮痛薬 |
研究概要 |
本年度はベンゾジアゼピン系向精神薬、非ステロイド系抗炎症鎮痛薬について以下の検討を行った。1.最適なイオン化法の検討並びにMS/MSマススペクトルライブラリーの作成 分析装置は島津UFLCとPE Sciex API4000 Q Trap MS/MS、各薬物標準品並びに移動相類の保存には三洋電機製研究用保冷庫(MPR-721、設備備品費により購入)を使用した。各薬物標準品について、ESIおよびAPCI2種類のインターフェースによるイオン化法を検討したところ、bromazepamなど32種類のベンゾジアゼピン系薬剤およびalminoprofenなど8種類の非ステロイド系抗炎症鎮痛薬はUFLC/MS-ESI正イオンモードが最適であった。また、UFLC/MS-ESI負イオンモードにはibuprofenなど8種類の非ステロイド系抗炎症鎮痛薬が最適であった。全ての薬物は[M+H]+或いは[M-H]-の擬分子イオンがベースピークとして認められた。ベースピークとなった[M+H]+或いは[M-H]-ををプリカーサーイオンとして、各薬剤のフラグメンテーションの解析を行い、MS、MS/MS、EPI、およびMS/MS/MS等のマススペクトルライブラリーの作成を行った。2.分析対象の各薬物についてUFLCによる分離条件の検討 ベンゾジアゼピン系薬剤についてカラムスイッチング法を応用し、また、非ステロイド系抗炎症鎮痛薬については直接注入法を応用して分離カラム並びに移動相などの最適分析条件を検討したところ、32種類のベンゾジアゼピン系薬物は7分以内、16種類の非ステロイド系抗炎症鎮痛薬は5分以内にいずれの薬物も感度良く検出された。今後、薬物と代謝物を血液および尿に添加し、設定した分離条件を最適化し、簡便かつ高速高感度な分析法の開発を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
H23年度「研究目的」の達成度は50%であった。東日本大震災、相次ぐ余震、さらに節電等の影響で主要分析機器であるUFLC/MS-MSの稼動が大幅に遅れた。今年度は32種類のベンゾジアゼピン系向精神薬および16種類の非ステロイド系抗炎症鎮痛薬についてMS、MS/MS、EPI、およびMS/MS/MS等のマススペクトルライブラリーの作成を行った。また、最適な分離条件の検討も行った。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度:1)平成23年度の研究結果を基にして、ブロムワレリル尿素系薬物およびバルビツール酸系薬物についても最適なイオン化法の検討並びにMS/MS等のマススペクトルライブラリーの作成を行い、最適な分離条件を検討する。さらに、薬物と代謝物を血液および尿に添加し、カラムスイッチング法および直接注入法を応用し、最適なカラムおよび分析条件を検討し、簡便かつ高速高感度な分析法の開発を行う。2)最適なカラムスイッチングおよび直接注入条件、分離法およびマススペクトルライブラリーを組み合わせたUFLC/LIT MS/MS法による迅速かつ高感度な各薬物およびそれらの代謝物について同定定量分析システムを完成させる。3)夾雑物等によるイオン効率の変化を充分に留意し、必要ならば設定した分析条件の修正を行う。さらに、各薬物のフラグメントパターンから最もイオン強度の高いベースピークを選択し、SRMとEPI或いはAPCI法を組み合わせて各薬物の高感度かつ高精度定量法を確立する。平成25年度:1)平成23~24年度の研究結果を基にして、ラットに薬物を投与し、一定時間後に全血あるいは尿を採取し、生体試料からの薬物および代謝物の同定と定量が可能かどうかを検討する。2)死体検案、法医解剖および救急医療現場に得られた人体試料から、本研究で確立したUFLC/LIT MS/MSシステムを用いて法医学上問題となる各薬物並びに代謝物の同定と定量を行う。また、分析結果と死体検案所見、解剖所見あるいは治療経過等をふまえ、本研究の法医学および救急医療領域での有用性を検討する。3)本研究で得られた結果を研究成果としてまとめ、関連する学術集会で発表し、考察を加え論文として学術雑誌に投稿する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度:1)薬品類、UFLCカラムおよびラットなど本研究遂行に必須な消耗品の購入費として104万円を使用する。2)第22回国際法医アカデミー(IALM2012、平成24年7月5日~7月8日、イスタンブール、トルコ)において本研究の関連成果の一部を学会発表するため、参加費ならびに旅費として20万円を使用する。平成25年度:1)薬品類、UFLCカラムおよびラットなど本研究遂行に必須な消耗品の購入費として100万円を使用する。
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