救急医療処置時に静脈内投与された塩基性治療薬と静脈内に自己投与されたメタンフェタミンの双方において、それらの血中濃度と胃内容濃度との間に比較的良好な正の相関が認められた。平均胃内容/血中濃度比は、塩基性治療薬で9.59、酸性治療薬で0.38、メタンフェタミンで16.1であった。メタンフェタミンの胃内蓄積量は10 mg程度に達するものが認められた。また、メタンフェタミンの胃内容/血中濃度比は、死亡過程の影響を大きく受ける場合があることが判明した。塩基性薬物の胃内容/血中濃度比は、それらが経口投与されたのか静脈内投与されたのかを鑑別する際の判断基準となりうることが示唆された。
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