全血液量の25%を出血させるラット出血性ショックモデルを作製し,非出血群と5分,20分および60分かけて出血させる3群と炎症性サイトカイン阻害剤を投与して60分かけて出血させる群の計5群を用いて,病態変化を観察した。出血速度が遅い群ほど,エピネフリン,ノルエピネフリン,アルドステロンなどの神経性・体液性循環調節機能低下により低血圧状態が持続し,腎臓実質中にTNF-αやIL-1βなどの炎症性サイトカインの発現が増強され,血清学的・組織学的に腎臓障害が確認された。出血速度が遅いほど,低血圧の持続や炎症性サイトカインの発現により腎臓障害が進行することが明らかとなった。
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