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2013 年度 実績報告書

臨床推論能力の評価と能力向上トレーニングの開発研究

研究課題

研究課題/領域番号 23590870
研究機関筑波大学

研究代表者

徳田 安春  筑波大学, 医学医療系, 教授 (20505036)

研究分担者 片岡 仁美  岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (20420490)
野口 善令  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (30293872)
寺澤 秀一  福井大学, 医学部, 教授 (30324164)
キーワード臨床推論 / 認知バイアス / システム1 / システム2 / 診断エラー / 診断推論
研究概要

この研究でわれわれは、医学生における臨床推論能力の評価方法を開発し、ケース難易度と推論プロセスのパフォーマンスとの関係を世界で初めて明らかにした。臨床的に診断難易度の低いケースへの推論では、直覚的推論(システム1)が有効であり、分析的推論(システム2)を上回るパフォーマンスを示した。逆に、臨床的に診断難易度の高いケースへの推論では分析的推論(システム2)が有効であり、直覚的推論(システム1)を上回るパフォーマンスを示した。
臨床的に診断難易度の高いケースでは、システム2に対する鑑別診断リマインダー介入が有効であった。これは、症候別に鑑別診断を想起させる診断リストであり、コモンな疾患、重症度や緊急度の高い疾患などには、わかりやすいマークなどを付けて利用しやすい工夫を施した。しかしながら、認知心理学的なアプローチに基づいた認知バイアスの除去リマインダーは無効であり、診断推論パフォーマンスの向上につながらなかった。
また、Eラーニング・テクノロジーを用いて臨床推論学習パイロット・プログラムを開発し、数多くのケーススタディーの問題・回答・解説集を作成した。Eラーニングによる症例問題でのグループ学習の満足度は高いことが示され、推論能力の向上への有効性が示された。複数の医学部間のグループ学習が効果的であることも示した。
われわれの研究であきらかになった臨床推論パフォーマンス向上のための新規的な介入によって、医学部卒業後に臨床の現場における推論エラーを減らし、患者アウトカムを改善させることにより、医療の質を向上させることにつながることが期待される。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Preliminary report of a Web-based instrument to assess and teach knowledge and clinical thinking to medical student2014

    • 著者名/発表者名
      Gerald H. Stein, Hironobu Tokunaga, Hirotaka Ando, Mikako Obika, Tomoko Miyoshi, Yasuharu Tokuda, Miho Bautista, Hitomi Kataoka, Hidekazu Terasawa
    • 雑誌名

      International Journal of Medical Education

      巻: 5 ページ: 1-6

    • DOI

      10.5116/ijme.52a7.7280

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Content analysis of medical students' seminars: a unique method of analyzing clinical thinking2013

    • 著者名/発表者名
      Yukari Takata, Gerald H Stein, Kuniyuki Endo, Akiko Arai, Shun Kohsaka, Yuka Kitano, Hitoshi Honda, Hidetaka Kitazono, Hironobu Tokunaga, Yasuharu Tokuda, Mikako Obika, Tomoko Miyoshi, Hitomi Kataoka, Hidekazu Terasawa
    • 雑誌名

      BMC Medical Education

      巻: 13 ページ: 156-156

    • DOI

      10.1186/1472-6920-13-156

    • 査読あり

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公開日: 2015-05-28  

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