研究課題/領域番号 |
23590876
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
森田 幸代 滋賀医科大学, 医学部, 特任講師 (50335171)
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研究分担者 |
山田 尚登 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (50166724)
高橋 正洋 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (30548194)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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キーワード | がん患者の精神症状 / せん妄 / 精神症状対策 / 抗精神病薬 |
研究実績の概要 |
今年度は、がん患者のせん妄治療に多く用いられるハロペリドール静脈内投与の効果についてカルテ調査を実施した。方法は2014年度内の期間で大学病院においてハロペリドール注射液を使用した入院患者をカルテの後ろ向き調査によりその効果と各種要因について検討した。その結果、ハロペリドール使用患者中、せん妄と診断される患者は54.7%で、そのうち約70%ががん患者であった。原疾患は消化器系がんが約42%と最多であり、約77.8%が男性、術後せん妄は27.8%、終末期がん患者は13.9%、喫煙者は52.3%、飲酒者は25%であった。血中Na、AST、ALT、BUN、GFR、クレアチニン値の平均は無効群とで有意差はなかったが、無効群では有効群と比較してオピオイド使用率が72.7%(48%)、その後死亡退院となった割合が45.5%(28%)、飲酒歴あり群36.4%(20%)と多かった。ハロペリドール静脈内投与は当院のせん妄がん患者に対しては約70%で効果が見られたが、初期投与量は5㎎/日が推奨される可能性がある。 さらに、初年度にとった滋賀県内での緩和ケアの精神症状に関する対応についてのアンケート結果に基づき、いくつかの拠点病院でせん妄や抑うつの対策としての講義や医師以外の医療従事者への講義を含む教育を行い、がん患者の精神症状発現に関する影響を検討した。その結果、数回の精神科医による講義だけではがん患者の精神症状発現率の減少は認めなかったが、医師以外の医療従事者に継続的指導をした病院では、せん妄や抑うつに対する対応改善、特にせん妄の不穏への対応が早期実践により、緩和ケアチームでの対応数が激減した。 さらに“精神疾患によりがんの治療が困難となった症例”の複数例経験から、詳細について調査検討し、学会発表、報告を2015年度緩和医療学会、サイコオンコロジー学会で発表予定(一部確定)。
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