研究課題/領域番号 |
23590880
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
安田 尚史 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (50403233)
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研究分担者 |
横野 浩一 神戸大学, その他部局等, その他 (50144580)
原 賢太 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (70397826)
明嵜 太一 神戸大学, 医学部附属病院, その他 (80467662)
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キーワード | 1型糖尿病 / 免疫寛容 / 病原体感知センサー / 樹状細胞 |
研究概要 |
われわれは、1型糖尿病(T1D)のモデルマウスであるNODマウスに抗Fas抗体を投与すると、T1D発症を完全に抑制することを以前に報告している。また、Fasを欠損するNOD-lpr/lprマウスはT1D発症を完全に抑制する免疫寛容マウスモデルであるが、その骨髄由来樹状細胞(DC)をNODマウスに投与すると、これもT1D発症を完全に抑制することを我々は見出した。さらに、このマウスに、cyclophosphamide(CY)投与で強制的に炎症を誘発することを試みてもやはりT1D発症を誘導できず、免疫寛容状態であることを見出した。 同様に、NODマウスへのpreproinsulin L7-24投与によりT1D発症が抑制されることを見出したが、このマウスへのCY投与でもT1D発症を抑制できる可能性を見出した。 次に、DCの病原体認識分子を介したDC活性化因子:細胞外病原体を認識する病原体センサーTLRsやCLRsや細胞内病原体を認識する病原体センサーRLR(RIG-IやMDA5など)やNLRのagonistなどを用いて検討し、特に、TLR3のagonistでRIG-IやMDA5のagonistでもあることが示唆されているpoly(I:C)をNODマウスに対して、低用量で投与した場合は糖尿病発症を抑制するが、高用量で投与するとNODマウスの糖尿病自然発症の推移と比較すると、糖尿病発症を促進する結果を得た。 そこで、免疫寛容モデルマウスである抗Fas抗体投与NODマウスにpoly(I:C)を投与したところ、低用量ではT1D発症には至らないものの高用量投与では、免疫寛容を破綻できることを新たに見出した。さらに、免疫寛容マウスモデルであるNOD-lpr/lprマウスに低用量poly(I:C)投与を試みているが現在までのところT1D発症には至っておらず、高用量投与も同時に観察中である。
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