研究概要 |
神経性食欲不振症患者(AN)に対して、精神状態や身体状況(特に栄養状態)について、客観的指標<血液生化学検査、核磁気共鳴画像(Magnetic resonance imaging)等の脳機能画像、自律神経機能検査、体組成、胃排出能検査、基礎代謝、心理テスト>などを治療前後で測定し、やせが心身に及ぼす影響や治療抵抗群の特徴を明らかにして、心身両面からの有効な治療法の確立を目指ものである。 実績 ①摂食障害患者において、低栄養による身体的要因のために緊急入院する危険度は、除脂肪量の減少と有意な相関をする。さらにBMI(Body mass index)が13kg/m2以下になると体重低下度が増加することを統計学的に証明した。(K Kawai, et al.Biopsychosco Med.5:14, 2011)。②栄養療法を行うと、摂食障害患者の痩せの程度によりその体組成の回復のパターンが異なること、安静時基礎代謝は健常人と同等を保っている(河合啓介ら 心身医学vol 52, No,3.201-207, 2012。河合啓介ら 心身医学vol 52, No,10 .911-917, 2012)。③ AN患者の栄養療法において、リン含有の栄養補助食品(アルジネード)を予防的に使用するとRefeeding症候群を予防することが可能となる 山下さきの、河合啓介ら 日本静脈経腸栄養学会機関誌 accepted 2013, 第16回日本摂食障害学会 研究奨励賞) 上記結果を2012年 アジア心身医学会シンポジウム(モンゴル)で発表した。
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