研究課題
「健康で長生きである」ことは日本だけでなく世界中の願いであり、永遠のテーマである。DHEAS(dehydroepiandrosterone sulfate)は生体の恒常性に欠かせない役割を担っていることが明らかになってきており、抗糖尿病作用、抗肥満作用、抗動脈硬化作用(血小板凝集抑制作用・平滑筋増殖抑制作用・泡沫化抑制作用など)、免疫賦活作用、抗骨粗鬆症作用など多彩な作用が報告されている。「若返り」の特効薬として脚光を集めているが、その作用については不明な点が多く、人体の恒常性維持や老化予防に好影響を与えるステロイドであるかどうかについては未だ論議を呼んでいる。以前、DHEAS値は長寿を示すホルモンであることを報告しており、本研究ではこのホルモンに着目し、DHEASが高値であることは長生きだけでなく認知機能を維持する作用をもつかを疫学的に解明し、この結果より、DHEASを測定することにより医療現場で予防医学の面から臨床応用へと展開するための研究基盤を確立することを目的とする。このことより、長寿としての意義のみではなく抗認知機能作用をもつことが予測される。精度の高い世界七カ国共同研究から派生した平成21年(2009年)の住民検診をもとにDHEASと認知機能の関連を疫学的に検討し、十分な睡眠をとることでDHEAS値を維持でき、認知機能低下を予防できるかを、保存血清によるDHEAS測定を行い、データベース化を行った。さらに、予後調査を行い脳血管疾患の発症、再度認知機能検査の実施を行った。DHEAS値が高値であれば認知機能が高く、認知機能が低下しにくい傾向が認められた。
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