研究課題
メタボリックシンドロームでは動脈硬化性疾患だけでなく静脈血栓塞栓症のリスクも高まる。本研究では、メタボリックシンドロームの向血栓性に対する抗血液凝固因子プロテインS(PS)の新規機能を明らかにし、食生活改善を主軸とした予防治療法開発を目的としている。今年度の研究によって得られた成果は以下のとおりである。1. 臨床研究 平成23、24年度の中年肥満女性を対象とした解析から血中総PS抗原量がVLDLの主要なアポプロテインのapoC-IIと強く関連する結果が得られたので、若年非肥満女性163名を対象として同様の解析を行い、肥満女性と同じく血中総PS抗原量がapooC-IIと関連することを確認した。従って、PSと中性脂肪代謝との関連が強く示唆された.2. 基礎研究 平成24年度に確立したアポプロテインmRNA発現解析系を用いて、株化ヒト肝細胞HepG2におけるPS、PCなどの抗血液凝固因子とアポプロテイン遺伝子発現制御について検討した。その結果、resveratrolなどのポリフェノール添加や培地中グルコース枯渇がPSやapooC-II、apoC-IIIの発現を抑制するが、PCやapoB100の発現には影響を与えないことが分かり、栄養状態の変化がアポプロテインだけでなくPSの発現にも影響を与えることが明らかとなった。
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