研究課題/領域番号 |
23590913
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
古田 隆久 浜松医科大学, 医学部附属病院, 准教授 (10303546)
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研究分担者 |
杉本 光繁 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (80397398)
小川 法良 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (80308618)
竹内 和彦 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (00419425)
松山 幸弘 浜松医科大学, 医学部, 教授 (20312316)
難波 宏樹 浜松医科大学, 医学部, 教授 (60198405)
梅村 和夫 浜松医科大学, 医学部, 教授 (40232912)
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キーワード | アスピリン / 抗血小板薬 / 胃粘膜傷害 / 遺伝子多型 |
研究概要 |
健常ボランティアにアスピリンに加えてクロピドグレルを内服した際の胃粘膜傷害とさらにPPI内服による予防効果に間セル検討に関しては、Clinical Gastroneterology& Hepatology誌に掲載された(Clin Gastroenterol Hepatol. 2012 Aug;10(8):879-885。そこで明らかになったことは、クロピドグレルの活性化代謝を担うCYP2C19遺伝子多型は胃粘膜傷害との関連は無く、従って、クロピトグレル自体には粘膜傷害を惹起させる作用はすくないということである。しかし、ひとたび粘膜傷害が起こるとクロピドグレルは出血は助長しやすい。もう一点明らかとなったことは、H. pylori感染の関与である。H. pylori感染は胃酸を抑制し、アスピリンの粘膜傷害に防御的に働くという報告もあるが、やはりH. pylori感染による炎症を有する粘膜では低用量アスピリンによる粘膜症が重篤化しやすいことが明らかとなった。予防薬としてのPPIであるが、その効果はこれまで報告してきたとおりでCYP2C19遺伝子多型の影響をうけるが、特にrapid metabolizerでH. pylori陰性の場合にその粘膜傷害がPoor metabolizer (PM)やintermediatemetabolizer (IM)と比較して予防効果が低下することが明らかとなった。 現在は、粘膜傷害の個体間格差に関わる遺伝子多型に関して検討しており、候補遺伝子のリストはできており、現在解析の測定系の確立と症例の集積中である。UGT1A6, CYP2C9, COX-1, COX-2, 等の解析を予定している
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予防法に関する遺伝子多型については報告済みである。病態の個体差に関わる遺伝子多型については現在検討中であり、引き続き研究を進めていく。問題点としては、caseの症例の集積がやや不足しており、現在、週集につとめている。
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今後の研究の推進方策 |
粘膜傷害の個体差にかかわる遺伝子多型について引き続き検討をすすめていく。単独の多型では難しい可能性もあり、スコア化するなどして、即ち、遺伝子多型の数と重みでのスコアを設定し、リスク評価ができるかを検討できればと考えている。 予防法の遺伝子多型が確定したため、それに基づく前向き試験を検討したいと考えている。即ちCYP2C19遺伝子多型に応じてPPIの用量を調整する群と、これまでどおりの標準用量を投与する群を設定することにより、この遺伝子多型に基づく粘膜傷害抑制がより効果的に抑制できるかですある。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当無し
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