研究課題/領域番号 |
23590922
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
森 義徳 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80468248)
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研究分担者 |
片岡 洋望 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40381785)
三浦 裕 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90285198)
粕谷 英樹 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00402636)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | reovirus |
研究概要 |
レオウイルスはRas signaling pathwayをターゲットとして特異的に感染し、このpathwayが活性化している癌細胞を特異的に細胞死に導くという特長を持つ。近年、抗HER2抗体療法(Trastuzumab)を用いた消化管癌治療が行われているが、十分な効果が得られているとは言い難い。いわゆるRas癌に特異的に作用するレオウイルスと抗HER2抗体療法を併用した場合、作用機序的に相乗効果が期待できると考えられた。胃癌細胞株におけるHER2発現を調べたところ、NCI-N87細胞に強く発現していることを見い出した。このためヒト胃癌細胞株NCI-N87を実験に用いた。コントロール群(UVにて不活性化されたレオウイルスを用いる)、抗HER2抗体単剤投与、レオウイルス単剤投与、抗HER2抗体とレオウイルスの併用群に分け、WST-1 assayによりcell viabilityを測定した。抗HER2抗体とレオウイルス併用群において有意に殺細胞効果が得られた。またこの胃癌細胞株NCI-N87を用いてマウスxenograftモデルを作成した。マウスをコントロール群(UVにて不活性化されたレオウイルスを用いる)、抗HER2抗体単剤投与、レオウイルス単剤投与、抗HER2抗体とレオウイルスの併用群に分け、3-4日毎に腫瘍径を測定し、治療の効果を測定した。4週間後に腫瘍を摘出した。抗HER2抗体とレオウイルス併用群において有意に腫瘍の縮小を認めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
申請時から所属が変わり、臨床業務がかなり多くなったため。
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今後の研究の推進方策 |
レオウイルスによる新規消化管癌治療の開発を引き続き進めていく。臨床業務がやや軽減される見込みであり、更に実験を進める予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
動物実験、試薬などの購入にあてる予定。
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