研究課題
HER2陽性胃癌細胞におけるトラスツズマブと腫瘍溶解性レオウイルスの併用による抗腫瘍効果を検討した.方法:(1)HER2高発現胃癌細胞株(NCI-N87細胞)に対するレオウイルスおよびトラスツズマブ併用による殺細胞効果をWST-8アッセイを用いて検討した.(2)アポトーシス誘導効果をカスパーゼ3/7活性の測定にて検討した.(3)マウス皮下移植xenograftモデルを用いて腫瘍縮小効果を検討した.(4)PCRマイクロアレイにて併用抗腫瘍効果に重要な役割を果たす遺伝子を検索した.結果:(1)トラスツズマブ単独群より併用群の方が有意に殺細胞効果を示した.(2)併用群ではトラスツズマブ単独群より有意にカスパーゼ3/7活性の上昇を誘導した.(3) xenograftモデルにおいてもin vitroと同様に,併用群でトラスツズマブ単独群より有意に強力な腫瘍縮小効果が認められた(腫瘍完全消失2例を含む).(4)併用群においてはBIRC8,CIDEA,TNFSF10,Caspase-1 mRNAの発現が上昇していた.結論:HER2陽性胃癌細胞に対するトラスツズマブとレオウイルスの併用は,カスパーゼ3/7を介したアポトーシス誘導により抗腫瘍効果を増強すると考えられた.
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