研究課題/領域番号 |
23590923
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
片岡 洋望 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40381785)
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研究分担者 |
矢野 重信 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 教授 (60011186)
城 卓志 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30231369)
田中 守 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 臨床研究医 (80617861)
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キーワード | GIST / PDT |
研究概要 |
1.ヒトGIST-T1細胞をヌードマウスの背部皮下に移植し,皮下移植モデルを作成することに成功した.グルコース連結クロリンを尾静脈より投与し,660nmの赤色LED光線660 nm (LED light. OptoCode Corporation) を40 J/cm2 (intensity: 49 mW/cm2),腫瘍に照射しPDTを施行したところ,コントロールに比べ有意にGIST-T1に対する腫瘍縮小効果が認められた.この効果はGIST-T1細胞に対するin vitroのグルコース連結クロリン効果をin vivoでも証明したもので,今後の臨床応用に非常に有用なデータとなった. 2.ヒトGIST-T1細胞のコントロール細胞として,GIST細胞と同様に紡錘形を呈したヒト線維芽細胞WI-38を用いて,グルコース (2-[N-(7-nitrobenz-2-oxa-1,3-diazol-4-yl)amino]-2-deoxy-d-glucose (2-NBDG) (Peptide Institute, Osaka, Japan)) ,グルコース連結クロリン,クロリン単体の細胞内取り込みをFACSを用いて検討した.GIST-T1細胞はWI-38に比して有意に高いグルコース,グルコース連結クロリンの取り込みを呈した.しかしクロリン単体の取り込みは両細胞間で有意差は見られなかった. 3.GIST-T1,WI-38におけるc-kitの発現をRT-PCRで確認した.GIST-T1においてc-kitの発現が確認された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
GIST-T1に対するグルコース連結クロリンの取り込み,PDT効果がin vitro, in vivoでほぼ証明されるところまで来ているから.
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今後の研究の推進方策 |
1.GIST-T1細胞におけるグルコース取り込みメカニズムの解明.GLUT1, GLUT3, GLUT4などのグルコーストランスポーターの発現と,細胞内へのグルコース連結クロリンの取り込みの相関性,さらにはグルコース連結クロリンPDT効果との関連性につき検討する. 2.胃癌の腹膜播種モデルに於けるグルコース連結クロリンPDTの有用性を検討する.
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次年度の研究費の使用計画 |
1.GLUT発現の検討,in vivo腹膜播種モデルの作成などの実験消耗品. 2.これまでの研究成果の学会発表旅費. 3.これまでの成果の英文論文作成に於ける英文添削費,および論文投稿関連費用. 4.その他,論文作成に必要な事務用品など.
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