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2011 年度 実施状況報告書

胃腸上皮化生粘膜における腸粘膜上皮幹細胞の発現

研究課題

研究課題/領域番号 23590926
研究機関自治医科大学

研究代表者

横山 健介  自治医科大学, 医学部, 研究員 (40598926)

研究分担者 武藤 弘行  自治医科大学, 医学部, 准教授 (50322392)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード幹細胞マーカー
研究概要

消化器臓器における幹細胞研究は近年急速に進展している領域であり、幹細胞特異的遺伝子の同定、増殖・分化制御の分子機構などが次々と明らかにされ、様々な疾患に於ける幹細胞制御の重要性も解明されつつある。その中でも、腸粘膜上皮細胞の幹細胞研究が近年急速に進展してきている。ロイシンに富むオーファンG蛋白質共役受容体であるLgr5は多能性と自己複製能を有する陰窩底部の細胞を特異的にラベルすることが明らかになった。一方、陰窩底部から平均4個目の細胞(+4)が長い細胞周期をもち多能性を有することがlong-term label retentionにより明らかにされた(+4LRC細胞)。現在提唱されているこれら2つの幹細胞の候補(Lgr5陽性CBC細胞と+4LRC細胞)の関係は明らかになっていない。この2つの候補の他に腸粘膜上皮の幹細胞マーカー遺伝子としてDCAMKL1とCD133がある。DCAMKL1は+4LRCに発現し、CD133はCBC細胞に発現している。一方、胃粘膜の病的な分化異常である腸上皮化生はピロリ菌の感染の結果発生するが、転写因子Cdx2が発現している。そしてCdx2を胃粘膜に特異的に発現させることにより腸上皮化生粘膜が誘導されることは既にCdx2トランスジェニックマウスにより確認済みである。この腸上皮化生は分化型胃癌の前癌病変としても注目されている。また、癌幹細胞の考え方が広がっている。従って幹細胞の増殖・分化制御機構を解明することは、再生医療への応用だけでなく新たな癌治療へと発展する可能性も同時に秘めている。Lgr5やCD133は癌幹細胞のマーカーともなりうる。4つの幹細胞マーカーに対して胃粘膜に特異的発現させるトランスジェニックマウスを作製するためにHK-ATPaseのβ subunitのプロモーターを用いたconstructの作製が終了した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

4つの幹細胞マーカー(Lgr5、CD133、Bmi1、DCAMKL1)のトランスジェニックマウス作成のためのconstructが作製できたことは、今回の研究目的の大きな部分が達成されたと考えられる。従って、3年間の研究期間のうち1年修了時点でconstructが出来上がったことにより残り2年間での研究目標達成に大きな進展が得られたと考えられる。

今後の研究の推進方策

トランスジェニックマウス作製のためのconstructが出来上がったことよりマウス受精卵にinjectionを行う予定である。自治医科大学には動物実験センターがありそこでのinjectionも可能であるが効率を上げるために外部にinjectionを依頼する予定である。すでに依頼の予定ができており今夏までにはF0が得られる予定である。F1が得られた後、解剖を行い胃粘膜の変化を詳細に観察する予定である。それと並行して、既存のCdx2トランスジェニックマウスとの交配を行い腸上皮化生粘膜における幹細胞マーカーの強発現と発癌との関係を明らかにしていく方針である。

次年度の研究費の使用計画

トランスジェニックマウスマウス作成のためにconstructを受精卵にinjectionするために外部に依頼する経費に研究費を用いる予定である。さらにF0誕生後DNAを抽出し目的の遺伝子の入ったマウスを同定し、出来上がったマウスを外部の委託先から自治医大動物実験センターに搬入する。搬入後、交配によりF1を得て、解剖し胃粘膜の変化を観察する。このための費用も研究費から捻出する予定である。

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公開日: 2013-07-10  

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