胃粘膜の分化異常である腸上皮化生粘膜には転写因子であるCdx2が発現しており、Cdx2を胃粘膜に特異的に発現させることにより腸上皮化生を誘導することができる。ヒトの腸上皮化生でもCdx2トランスジェニックマウスの腸上皮化生粘膜でもLgr5、CD133、DCAMKL1が発現していることが確認された。CD133、Lgr5は癌幹細胞との関係が報告されている。Cdx2トランスジェニックマウスの腸上皮化生粘膜からの分化型胃癌の発生における癌幹細胞マーカーとの関係も検討した。癌幹細胞の増殖・分化制御機構を解明し、再生医療への応用だけでなく新たな癌治療へと結び付けていく基礎になると考えられる。
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