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2011 年度 実施状況報告書

慢性胃炎進展とシクロオキシゲナーゼ2遺伝子単塩基変異の役割

研究課題

研究課題/領域番号 23590927
研究機関日本医科大学

研究代表者

坂本 長逸  日本医科大学, 医学部, 教授 (30196092)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード慢性胃炎 / シクロオキシゲナーゼ2 / 遺伝子単塩基変異
研究概要

本研究の目的はH.pylori感染者の萎縮性胃炎進展にCOX-2遺伝子多型、1L-1β遺伝子多型(SNP)がそれぞれ独立して関与し、両リスク要因を併せ持つ集団の萎縮性胃炎進展リスクを明瞭にし、除菌療法がぜひ必要な集団を明らかにすることである。研究計画は、まず(1)病理組織標本から萎縮性胃炎患者、非萎縮性胃炎患者を抽出し、1L-1β、COX-2遺伝子のSNP解析を行う、(2)臨床症例でpepsinogenI/II比が2.5以下の症例を萎縮群pepsinogenI/IIが3.0以上の症例を非萎縮群として検討する2つの試験から成る。病理切片の解析はシドニーシステムを用いて萎縮例と非萎縮例を分類作業中でありまだDNA抽出には至っていない。臨床例の検討ではH.pylori陽性患者333名を対象として内視鏡生検ブロックまたは血液よりDNAを抽出しIIL-1β-511 SNP (rs16944)(n=323),TNF-α-308 SNP (rs1800629)(n=323),COX-2 -1195 SNP (rs689466)(n=291),-1290 SNP(rs689465)(n=291)について解析中である。これまで得られたデータでは、COX-2 (rs689466)はT/T38.5%, C/T36.8%. C/C24.7%、 COX-2(rs689465)はA/A93.4%, A/G6.3%, G/G0.4%であった。COX-2(rs689466)AA型のPGI/II値は2.12で低値の傾向を示し、委縮性胃炎との関連性が示唆された。現在はランダムに症例のPGI/II値測定、各遺伝子の多型を分析しており、それぞれのSNPを有する症例の平均PGI/II値を計算しているが、PGI/II比で萎縮症例、非萎縮症例と分けて、各々の遺伝子SNPの萎縮進展に対するリスクを算出する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

病理標本については萎縮進展度の評価に時間がかかっており、それぞれのサンプルからの遺伝子抽出はまだ行なえていない。しかし、臨床サンプルは着実に蓄積され、PGI/II、遺伝子多型の解析が順調に進展している。

今後の研究の推進方策

臨床例についてはさらに症例数を増加させ、PGI/II比から萎縮進展群、非萎縮群に分類後、各遺伝子多型症例の萎縮性胃炎進展リスクを算出する。病理標本の解析については早急に組織学的解析を終える予定である。

次年度の研究費の使用計画

本年度の研究費については本年度内に使用し、次年度使用予定はない。次年度の研究については次年度の研究費の範囲で行う予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] G-protein β3 subunit 825CC genotype2011

    • 著者名/発表者名
      Shimpuku M, Sakamoto C、et al.
    • 雑誌名

      Neurogastroenterol Motil

      巻: 23 ページ: 1073-1080

    • DOI

      10.1111/j.1365-2982.2011.01781.x

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Efficacy and Safety of the Selective2011

    • 著者名/発表者名
      Choitsu Sakamoto, Satoshi Soen
    • 雑誌名

      Digestion

      巻: 83 ページ: 108-123

    • DOI

      10.1159/000318746

    • 査読あり
  • [学会発表] 消化管粘膜傷害とシクロオキシゲナーゼ(COX)-2の役割2011

    • 著者名/発表者名
      坂本長逸
    • 学会等名
      第48回日本臨床生理学会総会(招待講演)
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2011年11月4日

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公開日: 2013-07-10  

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