研究課題
本研究ではCOX-2SNPの胃炎進展における役割を検討した.H.pylori陽性胃炎患者を対象にCOX-2SNP、IL-1βSNPについて解析し,組織学的に検討した胃炎進展度と比較検討した。H.pylori陽性患者242名を対象として生検ブロックまたは血液よりDNAを抽出し、COX-2(1195G/A:rs689466および1290A/G),IL-1β(rs16944),のSNPを測定した.内視鏡下生検標本の胃炎activity・inflammation・IM(Intestinal Metaplasia)・atrophyの程度を0-3でスコア化した.IL-1β(rs16944)(n=242)のTTでは,activity:1.72±0.60,inflammation:2.04±0.32,IM:0.43±0.77,atrophy:1.15±0.64.であり,CT/CC型では,activity:1.61±0.78,inflammation:2.09±0.47,IM:0.44±0.72,atrophy:0.94±0.90.で、IL-1βSNPは従来の報告どおり萎縮進展と関係する可能性を認めた.COX-2(rs689466)(n=242)のTTでは,activity:1.66±0.74,inflammation:2.32±0.60,IM:0.52±0.62,atrophy:1.06±0.94.で,CT/CC型では,activity:1.52±0.71,inflammation:2.02±0.39,IM:0.54±0.74,atrophy:0.85±0.85.であった. COX-2(rs689466)TTにおいても,慢性炎症と萎縮のスコアが高く,COX-2SNP がH.pylori胃炎進展に関与する可能性が示唆された.
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Am J Physiol Gastrointest Liver Physiol
巻: 306 ページ: G130-190
doi: 10.1152/ajpgi.00057.2013